siempre futsal, solo futsal この世に合わない男
今日は朝から店で工事に立ち会った。立ち会うだけで、僕は何もしなくていいのだから、色々な仕事をこなしたら暇になってしまった。エンジニアさんはパソコンと格闘をしていて、急がしそうだったので話しかけない方が良さそうだった。店の近くには高校があり、ちょうど学生達が登校の途中だった。
学生達を見ながら
「俺にもこんな時期があったなあ」
と思いに老けていたら、小学校時代の友人「C」の事を思い出した。クラスには必ず一人、ちょっと変わったヤツがいるものなんだが、このCぐらいに変な人にあった事は未だかってない。
Cはドイツ系の家系で、金髪に近い茶髪と(どんな色だ!)のび太の様な分厚い眼鏡をかけていた。彼の家は裕福な家だった。送り向かえの車と派手な格好の母親を見れば誰もがそう思っただろう。また、彼の後ろには常に「裏口入学」という、おそらく本当であろうと思われる噂がついてまわった。その噂がなんで真実味を持っていたかというと、Cはとにかく「バカ」だったのである。明らかに入試をパス出来るレベルに達していなかったのだ。
Cは勉強もダメ、スポーツもダメ、おまけに態度もダメ。殴られる回数は常にトップだった。彼には唯一得意なものがあって、それは「マイケル・ジャクソンの曲を暗記する」というものだった。当時の僕らにとってそれは尊敬に値する事だったので、仲間には恵まれていたと思う。性格は明るかったし、いじめもなかった。勉強は出来ないけど、記憶力だけは天才的だった。
それでも奇行は目立った。校庭のアリを食う所をみんなに見せたがったり、意味もなく高い所から飛び降りたり、粘土に塩をまぶして食べたりしていた。授業中に鼻に鉛筆を突っ込んで鼻血を流して授業を中断させたこともあった。毎日がこんな調子じゃなく、時々こんな奇行をかますので、まあ、「ちょっと変なヤツ」て事になっていた。周りの僕らも当時は小学生だったので、まあ、世の中こういうヤツもいるんだな、ぐらいに思っていた。
Cはとにかく誰にでも優しく、その優しさからみんなに好かれていた。その明るい性格はクラスのをまとめた事もあったし、僕は彼が好きだった。やることやること全部失敗していたけど、どんなに上手く行かなくても一生懸命に努力を続ける彼を見て、僕は人間としてのレベルの違いを(ガキのくせに)感じた。その一方でその努力はおそらくは報われないだろう、と言うこともウスウスと(またまたガキのくせに)気づいていた。
ある日、事件が起こった。Cが体育の授業で使う野球バットで女子生徒をなぐって怪我を負わせた。故意だとか、偶然だとか、色々な話がでたが、結局Cはその日から学校に来なくなった。噂では夏休みの間に進級のテストを受けて結局ダメだったとか、来年は来るとか、いろんな話が流れた。しかしその後、彼が学校に来ることはなく、一回も合わないまま僕は卒業した。
今思えば、本当に今思えばなんだけど、きっとCは何かの精神病だったのだろうと今、思う。Cが来なくなってから、不思議とクラスはまとまりをなくし、いつもと違う雰囲気が流れていた。Cと仲のいい僕らはなぜか殴られた女子生徒に対し納得行かない気持ちを抱いていたのが原因だろう。
22歳か23歳の頃、当時のクラスメイトに会った。思い出話をしている、いつしかCの話になった。彼は高校生の頃にCに一度会った、という話だった。
町を歩いていると、前方から見た顔のヤツが人混みをかき分けてはしっててさ、良くみたらCだったんだよ。で、止めて話しかけてたら、Cが「おお、久しぶり。ごめん、俺今追われているんだ。また今度な」
と行って走り去ったらしい。
そいつはそのの後、Cが誰に追われてるのかを見極めようと少しまっていたが、それらしい人はいなかったようだ。
もう15年Cとは会っていない。きっとこれからもあう事はないだろう。会ったら会ったらで多分気づかないし、向こうだって僕の事を憶えてくれてるかどうか怪しい。でも、どうもアイツが生きてる気がしない。彼がこの世にいない事が普通な様な気がしてならない。 きっとCはこの世界に合わない人なんだ。そう思う。
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