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逃避行。

 最近なんだか海外への憧れが僕の中で育っている。地球の裏側から来た僕だが、日本を出た事は未だない。今までリゾート地や観光地に行きたいと思ったことはなく、そんな気持ちを感じる事はないだろうと決めつけていただけに自分でも以外である。僕が想像する海外はハワイやフィジーなどの楽園っぽい所ではなく、もっぱらヨーロッパである。いや、ちょっと待てよ、常夏の浜辺で冷え冷えのドリンクを片手に行き交う水着の美女を眺めるのもいいかも知れない!とは思うけど、そこを通るのは美女とは限らないじゃない?とそんな問題ではなく、実は見てみたい所が一つあるのだ。
 フランスにシュヴァルという人がいて、(いた)コイツが一人で写真の建物を作ったんだ。この人はただの郵便配達員で建築の勉強をした事はなく、その建物を作った理由が面白い。シュヴァルがある日仕事中に歩いていたら、石に足を引っかけて転んでしまった。その石は地面に埋まっていたのでシュヴァルはその石を掘り起こした。彼は石を持ち上げ、しげしげと眺めた。その石はとても面白い形をしていたようで、それ以来彼は石を集めるようになり、33年かけてこの城を作った。
 無学の無口な男が長い年月をかけて作った建物は人々の興味を集め、シュヴァルは一種の「努力の人」として認識されているけど、僕はちょっと違うんじゃないかと思う。
 一個の石から城を作るその精神というか、偏執的な行為が面白いんだよね。ある意味彼は何かの魅力に取り付かれていたわけじゃない?悪く言えば、頭おかしいじゃん。その強烈なまでの引力ってなんだったんだって知りたいんだよね〜。
 ほかにも面白い逸話がたくさんある。死ぬ間際に病院にかかったのだが、それが人生の中で唯一医者に見てもらった時だとか。興味深い。

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