siempre futsal, solo futsal プライベート・ライアン
夕べ、何度目かの「プライベート・ライアン」を見た。もう15回目ぐらいになるかも知れない。
この映画はスピルバーグが監督した、ドロドロの戦争映画。スピルバーグは戦争マニアとしては有名で、10代の頃に初めて撮った映画も戦争映画だ。マニアが作った映画なので、そのあまりのリアリズムのため、戦争映画の歴史は「プライベート・ライアン以前・以降」で分ける事が出来る。この映画によって、戦争の描き方が変わったのだ。
一番変わったのは「人体破壊表現」。残酷描写だ。手足がもげたり、内蔵が出ちゃったり、頭に穴が開いたり等の描写の事。この映画では、できるだけ本物に見えるようにと、異常なまでの執着を感じ取る事ができる。これが戦争の描写に説得力を持たせるのだ。
スピルバーグは撮影に入る前に俳優たちに兵隊の訓練を受けさせている。これもリアリズムを求めての事だが、視聴者側からみれば、やっぱり残酷な描写が頭に残る。
もう一つは「反戦映画」に捕らわれない価値観だろう。戦争はやっぱり暴力だし、ルールなんてない。丸腰の捕虜だって殺すし、人権だって存在しない。両手を上げながら投降した敵兵死を、連合軍の兵士が打つ。まるで当たり前の用に。こう言うシーンを入れる事を忘れない。連合軍側の兵士だって、正義側ではない。スピルバーグはユダヤ人なのに、こういう表現ができるのは巨匠たる所以だろう。
よく考えると、結構な「問題映画」だ。が、日本で公開された際にはR指定も付かなかった。間違っても子供には見せられない映画なのに。スピルバーグの後光はすごいものだ。
ちなみに「プライベートと」は「二等兵」の意味。決して「個人的な」の意味ではない。
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