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自転車の旅

 この前のブログでチャリの旅の事を書いた所、脳の中の記憶の扉が開いたのか、もっと長い旅の事を思いだした。あれは確か中3か高1ぐらいの時の事だったと思う。クラスの中に釣り好きな奴が一人いた。こいつが「今度印旛沼まで釣りに行く。行かない?」と声をかけてきた。そのインバヌマがどこにあるかすら分からなかった僕らは、
「なんとなか楽しそうだ」
という事だけでついていく事にした。
 当時僕らが住んでいたのは稲毛区。稲毛区から印旛沼まで自転車で移動する訳だ。釣り好きのやつが先頭にたって僕らを案内する事になっていた。
 夜明けぐらいにはつきたい、という事で朝の4時に集合する事になっていた。僕らはもちろん嫌だったけど、釣りとはそんなものだ、という一言で押し切られた。
 いよいよ決行の日が来た。僕らはすごく眠かったけど、夜中に起きて遊びに行くという普段は絶対しない行動が僕らをナチュラルハイにした。ガキとはそう言うものである。釣り好き友だちが先頭にたち、僕らは後に続いた。時間も時間だったので車通りもほとんどなく、僕らは普段と違う表情を見せる街にドキドキした。夏といえども夜風は涼しかった。
 移動は続く中、僕らは当たり前に迷子になった。お前道知ってるんじゃないの?とみんなで案内役を責めたけど、「だって夜はわかりにくいもん!」と言われ全員なんだか納得してしまった。
 夜がどんどん明けるなか、6:30すぎに印旛沼に到着した。太陽はもほとんど昇りきっていて、熱さがまた押し寄せてくる頃だった。僕らは疲労困憊で釣りなんてどうでもよかったけど、せっかく来たんだからとりあえず軽くでいいからやってみようか、という事になった。
 が、釣りに関しては素人。おまけにやる気がない。更に帰りの道を思うと、
「もう帰ろうか」
という雰囲気が場を満たしていった。1時間ほど糸を垂らしただろうか。もう帰る!と言い張る僕らをよそに釣り好きの奴だけが、岸に向かいながら
「お前ら先に行け、オレはまだ釣っていく。坊主では帰れ・・・」
と言った瞬間にズボボボッと膝まで泥の中に沈んだ!
あまりの突然の出来事に僕らは大爆笑!当の本人は焦りながら
「助けて!助けて!」
と言ったが、僕らはあまりの大爆笑に腹を抱えながら笑い転げた。本人は草をつかんで止まろうとするけど、その旅に草はブチッと切れて、どんどん沈んでいく・・・。僕らはまだ笑っていたが、よく見たら膝まで沈んでいるハズだったのに、いつの間にか腰までが地中に埋まっている。印旛沼には底なし沼なんてないと思うけど、その時は全員心底ビビッた。僕らは笑いを納め、こんどは引きつった顔で、自分たちが落ちないように気を付けながら何とか奴を引っ張り上げた。
 奴は胸までを泥で真っ黒にしながら、ゼーハーゼーハーと口で息をしていた。僕らは笑いがまた止まらなくなって、遠慮なく大声で涙が出るほど笑った。その中は奴だけはちがう涙を流していた。
 帰り道は行きとはちがく短く感じるものだけど、奴にとっては泥だらけでの移動はこたえただろう。無言での帰宅となった。僕らもなんだか不憫に感じ、声をかけずに帰った。
 その後、不思議とその話題に触れる事無く、僕らは卒業した。
 今思い返して見れば、あの時は本当に危険な状態だったと思う。ある程度の人数がいたからガキの力で引っ張り上げる事が出来たけど、一歩間違えば・・・と思うと、やっぱり当時の我慢できない笑いを思い出してしまう。すまん。

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