バンド・オブ・ブラザーズの続編

 過去に何度も書いたけど、僕が好きな映画にスピルバーグの「プライベート・ライアン」というのがある。トム・ハンクス主演で、兄弟全員をなくしたライアン二等兵を戦場から救い出し、無事帰国させる任務を負う大尉を演じている。たった一人を救うために部下の命を危険にさらすという任務に不満を感じながら、「上からの命令は絶対」精神で任務に赴くトム・ハンクス。案の定、部下は一人また一人と死んでいき・・・、って感じのストーリーである。数多くある戦争映画の中でもこの一本は特別なもので、とにかく戦争の模様がリアルなのだ。それは戦闘描写だけはなく、兵士の精神状態や、軍のあり方、戦争という特殊な環境のなかでの人間のあり方が描かれていて、僕はその部分に惹かれているのだ。
 あまり知られていないけど、この映画のTVシリーズ版ともいうべき
「バンド・オブ・ブラザーズ」
という海外TVドラマがある。
 スピルバーグは「プライベート・ライアン」を撮るのに60日かけたんだけど、この「バンド・〜」を作るに当たって1億ドル使って、一年半もの時間をかけているのだから、実はこっちの方が本腰入っているんじゃないかとも言える力作になっている。ストーリー的には第二次世界大戦に参加する兵士の訓練時代から終戦までを描いているんだけど、時間が長いこともあってストーリーが丹念に描かれ、とても見ごたえのある作品になっている。最近これを見直そうかなあ、なんて思っていたら「The Pacific」という続編がアメリカで放映されたらしいんだよね。しかも今回の制作費は約2億ドルだっていうし、舞台が太平洋戦争なんだよね。つまり、日本軍が敵なのだ…。沖縄が舞台になる回もあるとの事。スピルバーグは戦争を忠実に描く監督だから、日本軍をどう描くかが楽しみである。
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アバターと3D

 今年のアカデミーの作品賞をキャスリン・ビグローの「ハート・ロッカー」が取ったことにちょっと満足している。もちろん、話題になっていた夫婦対決とかはどうでもよくて、僕は「アバター」だけには取って欲しくない、と思っていた。
 僕はキャメロンの映画は好きである。「ターミネーター1,2」も「エイリアン2」も「トゥルーライズ」も、あの「タイタニック」だって楽しんでみたし、名前貸しだけだったろう「ダーク・エンジェル」もシーズン2まで付き合って見た。しかし、「アバター」だけはどうしても魅力を感じられず、未だに未見である。
 理由は多分、3Dであるという事。そこが売りなんだからその時点で引っ掛かるのは天邪鬼以外のなにものでもないけど、3Dって映画と呼べるのかなあ、とやっぱり納得出来ない何かがあるんだよね。

 「アバター」の興行成績がいいのはその珍しさと、新しいものを「体感」しに行くという、「アトラクション」的要素のお陰なんじゃないか、と思う。客は観に行くのではなく、「体感」しにいくわけで、そうなると「アバター」は映画ではなくなり、遊園地的な「アトラクション」に近いものということになり、イマイチ魅力的には思えないんだよね...。

 3Dでなくても映画は常に新しい何かを示してきたし、常に新しい何かを体感させてくれた。3Dだけが新しい道ではあるはずがない。今後3Dの映画は増えて来そうだが、なんとなく寂しい気がするのは僕だけかな。
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アイ、コンタクト

 昨日の夜中に海外TVドラマ「LOST」を観た。シーズン5の最終話の最後、いよいよ話が盛り上がり、あと2,3分でシーズン終了という所で、主人公の男性が愛する女性ととても重大な決断を下すシーンがある。問題なのはその決断どう下しても二人に未来はないということで、二人ともそれを理解している。そしてその決断を下さないことには大勢の人たちが死に、大きな不幸が始まる事になるのだ。シーズン5まで追いかけて観てきた僕のようなファンには涙なしでは観れない「究極の選択」なのである。(観ていない人たちはすみません・・)

女性の目を見る主人公
見返しながら小さくうなずく女性
涙を浮かべながら覚悟を決める主人公

紆余曲折ありすぎならもシーズン5まで続いたこの世界の行く末を、アイコンタクトで決めているのだ。物語をここまで引っ張ってきて、そして緊張感が極度までに高まったこの瞬間に、二人のアイコンタクトで物語を総括するこの演出に僕は感動した。シーズン5まで「いい加減に終わってくれよ・・・」と思いながらも楽しみにしてきたファンたちはあの瞬間、飛行機墜落から始まった入り組んだ長い長いストーリーの走馬灯を観たことでしょう。二人の間にはここでは書ききれない色々なことが起こり、その度に誰かが泣いたり喜んだりしたこととか、その全てがあの視線の中に詰まっているのだ。

 ちょっと枕話が長くなったけど、僕はこれを観ながら
「アイコンタクトっていい!カッコいい!」
と思ってしまったのだ。二人にしかわからない、二人にしか出来ない、ということがいいんだよね、きっと。

 まあ、フットサルをしていると結構あるよね。長い間一緒に蹴ったり、共通認識を持った仲間とは瞬間瞬間に目で意思を交わすことが。普段は普通にしゃべっていても伝えたいことが100%伝わっているのか不安だったりするけど、そういう時って全く不安がないから思えば不思議なものである。口に出さずに、そして誰にでも知られることなくコミュニケーションを完結させているわけだから、そう普通のことでもないよね、きっと。
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2010 Do I dream?

2010 というわけで2010に入った今、最初に見りるべき映画はこの「2010」でしょう。
 「2001年宇宙への旅」は有名で、観た事はなくても名前は知っている、という人は多いと思う。この「2010」はその続編で、「2001〜」で起こった出来事の謎を解くというストーリーになっている。
 「2010」は84年公開の映画で、26年後の世界である現在を描いている。所々近未来的な住居や設備が映るけど、ほとんどは宇宙空間か船の中の場面ばかりなので、ギャップを感じたりすることはほぼない。ありとあらゆるモニターが全部ブラウン管だけど、これは仕方ない。
 で、何が面白いかというと、2010年になってもまだソ連は存在していて、冷戦構造もそのまま残っている、という設定である。冷戦が終わるのは90年に入ってからのことだから当時の感覚としては普通なんだろうけど、今となると古めかしさを感じないことはない。

 映画の中での2010年の冷戦は後一歩で世界大戦、という所まで来ている。そしてその影響は宇宙で研究を続けているクルーにも影響する。おまけにこのクルーはロシア人とアメリカ人で作られているので、地球での権力闘争が地球を遠く離れた木星でも行われているのである。お互いに腹を探りあいながら、相手を出し抜く手を互いに考えているのである。が、戦争になった日には帰る星そのものが無くなる訳で、クルーの人間関係のほうが複雑だったりする。生き延びるため、無事故郷の星に帰るためにクルーは互いに協力をしあう事になる。
 それから色んな事が起こり(いい加減ですみせん 笑 )クルーは「素晴らしい何か」を目の当たりにすることになる。そしてその素晴らしい何かが地球にとあるメッセージを送り・・・。

 っていう中途半端な書き方しか出来ないのが悔しいけど、この「2010」はHAL9000とチャンドラ博士の会話など、凄くいいシーンがたくさんある映画なので、興味がある人は見ることを進めます。でも一番面白いのは、84年の時点で2010の事を描いている点である。つまり、84年の時点で予想されていた未来を覗くが出来るんだよね。映画の中の2010年と今のこの現代、どっちがいい世の中であるかは・・・、微妙なところかな。
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3Dとマイケル

 最近の流行で、そして今後の主流になりそうな3D映画。大画面TVとDVDのお陰で家庭での視聴のレベルが格段に上がった現在では、劇場が生き残る策として
「家では絶対に味わえない何か」
を提供していくのは当たり前の流れである。3Dはまさにそれで、今後メガネをかけて見る映画はどんどん増えていくと思われる。
 3Dは昔からあって、僕がガキの頃は片目が青のセロファン、片目が赤のセロファンで出来たメガネをかけて見るものだった。限りなく子供だましな感じがしていたので、そのイメージが未だに残っていて新しい3D映画を見ようという気分にならない僕である。

 そんなこんなんで、僕の中の3Dといえば
「キャプテンEO」
となのである。「キャプテンEO」は、ネズミランドにあった3D立体映画アトラクションで、マイケル・ジャクソンが宇宙で悪の女王と戦いながら歌と踊りで世界を救うストーリーである。調べてみたら稼動期間は87年3月から96年9月まで、かなり長い期間なんだよね。僕が体感したのはきっとかなり後半の方で、その頃にはちょっとした古めかしさと当時のマイケルの立ち居地もあって、ちょっとダサいおまけ的な扱われ方をされていたアトラクションであった。他のアトラクションに比べ並び時間が圧倒的に短かったしね。マイケルファン以外の人たちには「歌とダンスで世界を救う」というくだりもちょっとアレだったのだろう。

 マイケルが亡くなったこの時期に3Dが流行りだすのも何か意味がある事なのかな。当時としては3Dのアトラクションは画期的なもの。膨大な金がかかっていたという話で、マイケルは本当に先鋭的なことをやってきたのだと改めて思う。今流行っているものを20年前に形にしちゃているのだからね。
 実は来年の1月から、アメリカのネズミランドで「キャプテンEO」が復活するかも知れないという噂が流れている。噂の域をでないし、信憑性はイマイチだけど、時代というのは行っては戻ってくるものだからない話でもないかな。
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ハリポ

 遅ればせながら「ハリー・ポッターと謎のプリンス」を観た。英語のサブタイトルは「Half-Blood Prince」だから本当は「謎の〜」ではなく、「半純血のプリンス」というタイトルにすべきだろうけど、印象が良くないのかな。このタイトルはこの映画でのオチみたいなものになっているだけにもったいない。

 「ハリー・ポッター」は子供に人気のある作品ではあるが、相変わらず映画は暗い。あまりにも重過ぎる自分の運命に苦しむハリーは今回も何度も死にそうな目に合う。今回は大事な人をもなくし、最後にはいよいよ避けられない戦いへと足を踏み入れていく。前編を通して葬式のような暗い場面ばかりで死を連想させる描写が多い。恋のどーのこーの、みたいな場面もあるけど明らかにオマケ的な扱いで、それらが軽ければ軽いほどハリーの「どうしょうもない不幸さ」が引き立つのだから良く出来ている話である。

 ハリーはスター・ウォーズの「ダース・ベイダー(アナキン)」なみに不幸なキャラである。孤独と愛する人の死で苦しむのも同じ。思えば戦いへの準備をしていくこの映画はスター・ウォーズのエピソード3 シスの復讐」に良く似ている。アナキンはダークサイドに落ちていくけど、次作の
「死の秘宝」
ではハリーのそういう描写もあるらしい・・。今から楽しみだ。
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プラダを着た悪魔

 少し前に@14のブログでもちょっとだけ出てきた「プラダを着た悪魔」という映画を観なおした。ファッションに全く興味がない女性が、ジャーナリストという夢への足がかりとしてファッション雑誌に就職し、仕事と恋とキャリアに悩みながら成長していくという、割りと単純なストーリーの映画である。主人公の女の子はファッションに全く興味がないので、細いサイズを着るために必死にダイエットをする同僚や、パッと見では絶対に気付かない服のディティールにこだわる人たちを横目で見ながらちょっと小馬鹿にしているんだけど、そんな彼女に上司が
「ファッションの存在意義」
を説くシーンがある。僕はこのくだりがすごく好きで、見事なシーンだと思っている。
 生きていくためにはファッションは必要ではない。綺麗に着飾る必要はないし、金をかけることも必要ないんだけど、世の中の多くの人はそうは思わず、結構な金をかけていたりする。それはいい事なのか、無駄な事なのかはその人の価値観次第ではあるけど、そのシーンではファッションの素晴らしさを的確に説明してくれる。
 映画の途中で主人公はダサい青いセーターを着ている。彼女はファッションに興味がないので、安いもの買ってきているんだけど、
「そのセーターが何で青いのか」
という事を説明してくれるくだりも最高である。
 この映画はお洒落な女性のための映画という受け止めかたをされているけど、実は男性でも楽しく見れる一本である。詳しい説明は書きませんので興味のある人はどうぞ!
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死んでから評価

 マイケル・ジャクソンが予定していたツアーのリハーサル映像で構成された映画「This is it」の公開が間近になり、今週はMichaelを特集した番組が多かった。特に昨日のスマステの特集はかなり力が入っており、ナレーションが小林克也である事もあって、非常に面白かった。死んでから評価が高まるこの流れはいいものとは思えないけど、ここに来てマイケルの「実はいい人」の側面がクローズアップされている。BADツアーの全収益を実は全部寄付していたとか、ツアーで訪れた街の病院に必ず行っていたとか。今日放送されたタイトルの知らない番組では、自分の子供たちの誕生日で鼻歌を歌う様子が流れていたりと、見ている途中から涙が止まらない構成であった。生涯で200億円を寄付していたのだから、本当にすごい人物である。
 「スマステ」と「タイトルの知らない番組」が結構な時間を割いたのは、今年のMTVビデオ・ミュージック・アワードでマドンナが行った「マイケル追悼スピーチ」の様子であった。このスピーチは完全に水面下に用意されたもので前情報が全くなく、リアルタイム(アメリカでの放送よりは全然遅いけど)で見ていた僕は非常に驚き、あまりの感動的な内容に涙ぐんでしまった。そのスピーチでマドンナはマイケルとの思いでを語った。
・同じ歳に生まれた事
・同じ中西部で育った事
・同じ8人兄弟であった事
・マイケルを食事に誘った事
・その時の様子
・マイケルの死を知った時の事
・そして今、マドンナの子供たちがマイケルに夢中で、家で股間を掴みながら踊ったり、ムーンウォークをしている事
を語った。「スマステ」も「タイトル不明の番組」も似たような感じで、同じ映像を流したんだけど、実は両番組とも肝心な部分を放送していない。ホトンドの人たちはMTVなんて見ないから気づかないけど、スピーチの中での一番の重要な部分がカットされているのだ。
 スピーチの中盤で、マドンナはマイケルが児童虐待の裁判の容疑と戦っている時期についてふれているのだ。

何度か出かけましたが、その後は連絡が途絶え、魔女狩りが始まったのです。
マイケルへの批判が次々に出てきました。私には彼の痛みがわかります。
世界中が敵になったような、あの苦しみ。自分の弁護すらできない無力さ。
群集の怒号にかき消され、自分の声は届かないと思い知るのです。
でも、私には子ども時代があり、過ちを犯しても注目を浴びることなくやり直せました。

マイケルの死を知ったのは、ツアー前のロンドンでした。
彼も一週間後に公演を控えていた会場で、あの瞬間に思ったことは、「彼を見捨ててしまった」。
私たちが、彼を見捨てたのです。
かつて世界中を熱狂させた偉大な人物を、平気で見過ごしていたのです。
また仕事を始めようと努力していたとき、私たちはみなそれを冷ややかに見ていました。ほとんどの人は彼に背をむけました。


MTVを見ていた僕は、マドンナの
「みんなも彼を見捨てたよね?」
という一言に僕は深く頷き、心の中で
「良く言ってくれた!」
と思いました。マイケルが亡くなり、追悼ムードの中で町中の人たちが悲しみにくれる様子がこれでもかと放送され
「偉大なエンターテイナーを亡くした」
「信じられない」
「マイケルを愛していてた」
と涙混じりに言うんだけど、
「じゃあ、お前らマイケルが叩かれていた時に応援していたのかよ!マイケルは絶対にやっていないと信じていたのかよ!」
と思いはじめていた時のマドンナのあの言葉は最高だった。その時会場の空気が一瞬変わったから日本では放送されないのかなあ。
 未発表曲でモメたり、他殺説が出たりと相変わらず変な話題が多いが、映画が終わったらマイケルの話題は少しは落ち着くかな。悲しみはするが、すぐに忘れるのも民衆だったりするからね・・・。それにしてもマドンナ格好いい。

動画はここ
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グーニーズ

 久しぶりにグーニーズを見た。僕はこの映画が大好きで、子供の頃に見て以来心を鷲づかみにされている。
 グーニーズは85年に公開された映画である。街の落ちこぼれ集団、グーニーズが街の買収を阻止するべく宝探しの冒険に出るという、分かりやすいアドベンチャー映画である。この歳になって分かるんだけど、この映画って子供心(男の子心)にバッチリ来る要素が詰まっているんだよね。

・家に屋根裏部屋がある。
・その裏部屋に宝の地図があるというファンタジー。
・主人公がよくある強いヒーローではない。
・みんながBMXに乗っていてうらやましい。
・仲間同士の絆、兄弟の絆。
・グループに好きな女の子が偶然に合流して一緒に冒険する。
・冒険は子供の夢
・自分が住んでいる町の下はダンジョンになっている。
・ビー玉のくだり
・色んな仕掛け
・そして成長

 アクションあり、謎解きあり、冒険あり、ちょっとした恋愛あり、笑いあり、感動ありで、今見ると最初に見たときのドキドキ感が思い出されるようで、色あせない魅力を持った映画だ。
 
 グーニーズが心に残る映画である要素の一つとして
「仲間たちと過ごす最後の一日かも知れない」
という「切なさ」が全てを包んでいる事にある。その想いが体の弱い主人公を冒険に駆り立て、そしてその仲間達と力を合わせながら彼ら自身も成長する。スピルバーグが描くこの「切なさ」は「E.T.」や「AI」でも描かれていて、どちらも子供が主人公の映画である。(E.T.ではBMXも出てくる!)いつも思うけど、スピルバーグの心は子供のままなんだろう。
 でもまあ、一番の原因は映画を見た時の僕の年齢が、登場人物と同じだったって事だろう。映画が終わった瞬間から僕を含め、多くのガキどもがグーニーズになっていたし、いつか冒険が出来るかも知れないと本気で思っていたのだ。きっと大人になって初めて見ていたら、そこまで心に残るものでもないのかも知れない。やっぱりタイミングって大事だな。
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夏になると見たくなる映画

 いい映画の絶対的条件として
「人生の中で2度は観る」
というのがあります。誰にでもたまあに見たくなる、この季節になると見たくなる、という映画があると思います。

 学生時代に友人の家に遊びに行った時、そいつの家に
「スタンド・バイ・ミー」

「風の谷のナウシカ」
のまだ封を切っていない新品VHSが置いてあった。よっぽど好きなのだろうなあ、と思いながら未開封である事の理由をきいたら、
「将来自分の子供に見せるために買ってあるんだ」
と言っていた。当時僕らは20歳そこそこだったので、かなり気が早すぎたことと、当時はまだDVDが存在していなかったので今では無用の長物になっているだろうって事を除けば、すごくいい評価のしかただな、と思ったことを覚えている。
 夏に見たくなる映画といえば、「スタンド・バイ・ミー」だよね。特に男子の場合は外せない1本である。異常に勢いがあるゲロ描写の場面とか、パンツの中に蛭が入っちゃう場面とか、スティーブン・キングならではの悪趣味なシーンはあるけど、ひと夏の冒険を描く王道の青春映画である。女の子が出てこない所も特殊といえば特殊かな。
 
 僕がこの映画は見たときは登場人物とほぼ同じ歳であった。単純に僕もそんな冒険をしてみたいと思ったものである。線路沿いを歩いたり、朝起きると静寂の中に鹿がいたりとそれはまさに冒険に思えた。そして彼らのその後の人生に対して抱く不安を、僕も理解し何となく共有していたと思う。それから時間がたって、僕も「大人」と呼ばれる時期に入ってから観るのだが、今度は
「自分にもそういった時期があったが、それは戻ってこない」
という事を理解する。この映画を通し、時間がたったという事と、自分の変化を再確認しちゃうんだよね。

 いい映画は人生の中では何度か観て、そして観る度に違う事を感じることが出来る。映画は変わっているわけでないもちろんないので、自分自身が変わっているって事になる。映画を通して自分の変化を感じるなんて不思議なことである。

 この映画には16歳の時のリバー・フェニックスが出演しているんだよね。当たり前だけど映画の中ではいつまで経っても16歳のままで、歳を重ねていく時分自身と比べてしまう所もある。今も生きていれば40手前ぐらいになっていたはずだが、彼の姿はいつまでも美しいままだ。色んな意味で考えさせられる映画である。
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