2006/12/5 火 | 2006.12
頭でっかち
まだ野球をやっていた頃の出来事。
公園のグラウンドを借りた遊んでいた僕らはノックをしながら遊んでいた。遊びノックのやり方というのは、いかに格好よくボールを取るか、にある。わざとタイミングを遅らせてダイビングキャッチ、必要もないのにトスでダブルプレー。
そうこうしている間に、いきなり怒鳴り声が響いた。
「違う!、そうじゃないだろ!」
と男の声だった。よく見ると公園の片隅で親子らしき中学生っぽいガキとその父親がいた。ガキは素振りをしていて、親父がそれにダメだしをしていた。どうも長い時間やっていたようで、子供はやや半泣き状態。親父が片手に細長い棒を持っていて、その先でガキの肘をピシピシ叩いていた。ガキは涙目で素振りをしながら、親父が肘が高いだの、手首の返しのタイミングが遅いだのと言っていた。
すこし前にロッテの堀選手のインタビューを読んだ。堀選手は野球教室に出席する事があるようで、最近受ける質問の質が変わってきていると言っていた。小学生から
「アウトコースのスライダーを打つのにはどうすれば良いでしょうか」
という質問が飛んでくるらしい。面白いのは、必ず親が同席していて、その親が子供に必要以上の事を教えたがるのだそうだ。その時に掘選手がどう答えるかというと、まず素振りをしてスウィングを見せるのだそうだ。プロ選手のスウィングの音と速さを目にした子供達の目の輝きがすぐに変わる。スウィングを見せた後で、
「みんなはこのスウィングに近いものができるようになってからそういう事を考えなさい」
というのだそうだ。スウィングを間近にした子供達ははみんな「すごいすごい」を連発して、一気に思考が変わるらしい。
僕はこれを読んだときに、すごいいい話だなと思った。プロ野球選手のスウィングというのは理屈抜きに目と心に訴えかけるものがあって、この指導法はスポーツのあり方を良く理解出来るエピソードだと思う。底辺にあるのは「楽しい」と「うまくなりたい」。そこに「憧れ」が加われば、それが一番なんだろうなあ。
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