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最近の動物園

 昨日の夜に動物園についての特集をTVでやっていて大変面白かった。どの県や市でも動物園と言えば赤字が当たり前のお荷物施設だが、最近の動物園は様変わりしていて、いかにどうやって人を呼ぶかという努力の結果、面白い動物園が多くなってきている。動物との距離を近くしたり、ガラスを多様したりと動物との距離を縮める事で客の興味をそそり、来場者を多くする事に成功している。
 いくつになっても動物園に行った時のあの「でかい!すごい!かわいい!かっこいい!怖い!ウンコデカイ・・・」の驚きの気持ちは変わらない。理屈ぬきで正直になれる瞬間だよね、どんな大人でも。動物というのは本当に面白いもので、大して動いてなくてもずっと見ていられる。
 ただ、動物園にはある種の悲しさが漂っている。それはもちろん、動物たちを不自然な環境に閉じ込ていることにある。どんなに子供でもその残酷さを理解できる事ががよりその残酷さを際立たせる。斜めな見方をすれば動物園は人間の傲慢さの極みで、人間が他のどの生物よりも優れている間違えた考え方の結果と言えるだろう。仏陀が言ったように命に優劣はないのかどうか良く分からないけど、動物園にいるの動物の目がなんとなく悲しい色がするのは気のせいではないはず。とはいえ、動物園の本当の目的はそこにある。娯楽の側面を残しつつ、誰もが命の大切さやエコロジーについて考え、自分なりの考えを持つ事。これは子供ならなおさらのことで、幼いうちに動物の姿を見ることは命の尊厳の養育につながる。
 今でも忘れられないのは、上野動物園の白くまを見たときのこと。この白くまは常同運動(ストレスなどがたまった動物が意味もないのにあちこちを行ったり来たりする行為。よく動物園の動物がやる。)をしていて、すんごい悲しくなった。白クマは動物の中でも特別な印象があって、大きいし、白いし、神秘的な存在な気がしたけど、その大きな体が狭いスペースに押さえられていた。白い毛は汚れで黄色がかっていてまるで汚れた雪のようだった。本当の姿ではないのだな、と一発で解った。日本の動物園の管理は世界でも優秀なので動物園側に不備があるとは思えないし、そもそも動物園は最初から自然ではないので仕方ないか。
 ま、理屈を並べても意味はない。やっぱり動物園に行って楽しむ、そして色々考える。これが一番だな。

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