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CHE VIVE

 家に帰ったらゲバラの伝記書が転がっていた。どうやら弟がブックオフで買ってきたもので、100円の値札が貼ってあった。安い!で、ぺらぺらとめくって読んでみた。
 ご存知の人も多いけど、ゲバラはアルゼンチン人で若い頃に南米大陸を縦断し見識を広げ、キューバ革命に参加し、最後にはCIAに暗殺されている。男前なうえ、自分の信念を曲げずに貫いたその生き様は時代を問わずに多くの若者の心を捉え続けている。
 ゲバラを語る上で一番大事なのに全く語られないのは、それはゲバラは共産主義を最後まで信じた事である。「革命家」とは言っても民主主義のために戦っていたわけではなく、「共産主義のため」という簡単な言葉で片づけられるもののためでもないけど。実際ゲバラはロシアの社会主義を間違った社会主義と批判している。これについては僕も知らないから詳しくは書けません。
 ゲバラはゲリラ戦法を得意としていて、それでキューバ革命を成功させた。ゲリラ、とは簡単にいうけど、おそらくかなりのえげつない事もしただろうと言われている。そのため、キューバでは英雄だが、故郷のアルゼンチンではそれほど人気はない。うちの父に聞いたところ、「ゲリラ」という言葉にいいイメージはないし、知名度もそう高くないらしい。
 ゲバラの大陸縦断の旅がアメリカで終わった。彼はそこで飽食の時代と文化の堕落、そしてその上で成り立つ経済的勝者による社会格差、弱者が苦悩する現実を目の当たりし、自分の生きる道を決めたという。ゲバラは最後まで資産を持つことに興味はなく、服はいつもの軍服、住まいはアパート、食べ物は粗食。公務の間には農民に混じって畑仕事をした。キューバの紙幣にはさとうきび畑で働くゲバラの姿を今も見る事が出来る。
 レーニンの思想は途絶え、中国の社会主義も今の時代では否定されている。みんなで働いて、みんなで平等に利益を分ける事はロマンですらなくなっている。僕はゲバラの顔が印刷されてTシャツを見るたびに笑いを通り越して悲しくなる。そんなことは本人がもっとも望まなかった事の一つだと思う。金儲けの道具に使われるなんて、皮肉すぎて逆に失礼な感じもする。最も意味を履き違えたアイテムじゃないか?
明日もこの話題で行こ。
 

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