笑い男

 第三者のPCを使って犯行予告メールを送った真犯人が、TBSラジオに
「真犯人は私です」
というメールを送ったニュースで大騒ぎである。その中に真犯人以外には知り得ない情報があるということで、信憑性は高いらしい。真犯人はこのメールの意図を
「警察、検察に対する挑戦状である」
としている。ある意味ではその目的は達成されているが、すでに違う人が犯人としてあげられており、自白もさせられている。実名報道もされているため、全く関係のない第三者が不憫でならない。

 反体制な行動にはある種の義賊的な側面がいつの時代にもあるけど、この事件の犯人にはそれがなく、なんとも気持ちの悪い感じがする。たしかに警察や検察に一泡をふかせ、無理矢理自白を引き出す捜査方法を暴いてはいるが、長い時間拘留され犯人にされた人たちを思うと何ともスッキリしない。義族的な感じはまったくなく、愉快犯である。

 この事件で面白いのは、
「えん罪である事は分かっているんだけど、誰が犯人かは分かっていない」
という変な状態なんだよね、今。真犯人あっての冤罪だから、こういう事ってあんまりないはずである。今後捕まる可能性はなさそうだし、自主ももちろん期待できなそうである。このまま時間に埋もれていく事件になるのだろうか。つくづく汚名を着せられた人たちが不憫である。
 
 それにしても、技術が社会や世界を変えるって良く言うけど、こういう事もあるのね。もはや何が真実なのか、正しいのか、分からない世の中である。そもそもネット上に真実なんてないか。一瞬、攻殻機動隊の笑い男を思い出しけど、ぜんぜん違うか。
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