2006/10/20 金 | 2006.10
化け物の文化誌展
上野の国立博物館で「化け物の文化誌展」という素敵な催しをやっているようだ。僕的にどうしてもみたいのは
「人魚のミイラ」や「天狗のミイラ」や「河童のミイラ」
という国立博物館にそぐわないオカルト丸出しのラインアップである。
僕らが生きる原題では妖怪というのは漫画の中での存在なのだが、妖怪というのが当たり前に存在していた時代がある。それらはもはや生活の一部で、多くは土地の風土や生活習慣に対する意味合いとして存在していた。一人で夜出歩いては危険、夜の川は危険等、そう言った教訓的な意味での存在だった。科学の発展とともにいつしか「迷信」の中に埋もれていくのだけど、それまでは人々の中にたしかに存在した。日本に独特なものが多いのは、自然に対する認識が繊細だからで、これはとても面白い現象である。自然の驚異に対する恐怖がこういった迷信や妖怪を生む一番の土台だけど、日本の場合にはそれにちょっとした可笑しさや面白さがあることが特徴。だから面白い。
今回展示される人魚のミイラ等はもちろん偽物。魚の剥製に猿の頭蓋骨をくっつけたようなものが多い。原産国は日本で、実は輸出もやっていたようで、あの大英博物館に展示されたものもあった。贋作を大まじめで作っている所に、日本人の独特なロマンチシズムがあって最高じゃないか。贋作とはいえ、ある種の人から見れば「芸術作品」になる。
この文化が一番栄えたのは江戸時代。化け物の分類や比較の根拠となった有名な「山海経」など中国の書物が日本に入って来た時である。同時に西洋からの文明が少しずつ入り、その中には誰もが見たこともない化け物の姿が描かれた書物もあった・・・。近代の足音を聞きながらも、今以上に夜闇が暗かったろう江戸時代。そんな闇の中を妖怪たちが行き来していた。楽しそう江戸時代・・・。
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