夏の終わり

 今年は冷夏なので暑さに苦しむことがなく、家ではついにクーラーを使わなかった。元々エアコンがあまり好きではないので(というか体にもろに響くので)出来る限り我慢するのだが、今年は大して苦しまなかった。夏が暑くないなんていいのか悪いのか、自然なことかどうか微妙だけど、過ごしやすい夏であったことは間違いない。
 早いもので、もう夏の終わりである。新緑もその勢いをなくし、夏の眩しい色彩に変わって落ち着いた色が街に広がっていく様が好きである。赤や黄色や緑が、茶やグレーやワイン色に変わっていくその過程を眺めていると、なんとなく心が落ちつく気がするからだと思う。生命力溢れる夏もいいけど、一時の栄華を終え、冬に入る準備をする木々は青春が終わった事を悟った人間のようで、哀愁が漂う。この季節と同じで人生に吹く風は冷たく、太陽が落ちるのも早い。

 毎年思うんだけど、春が夏になる時間よりも、秋が冬になる時間の方がずっと短い気がする。一年の中での秋は一瞬である。花粉症を持つ僕としてはこの季節が一番好きなのだが、凍える程に寒くなるまでには本当に早く、楽しめる時間は少ない。まあ、それもハッキリとした四季があっての事で、季節の風情を愛でることが出来るのも幸せかな。
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