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pupi

 流行りすぎた上、売上の行き先がいまいち不透明な「ほっとけない世界のまずしさ」のシリコンバンド。見る人見る人手首白いバンドをつけているので、逆に付けにくい感じになっている。
 この写真のものはインテルでアルゼンチン代表のサネッティ選手が作ったPUPIという財団の公式リストバンド。サネッティは人格者として知られ、試合で着用したウェアやスパイクをオークションにいつも流して、その金を恵まれない子供たちのために役立てている事は有名。インテルに長い間所属し、イタリア人でもないのにずっとキャプテンをつとめていることからその人格が伺える。
 リストバンドには POR UNA SONRISA(スペイン語で「一つの微笑みのために」)とプリントされているものと、刻印されているものがある。PUPIはアルゼンチンの恵まれない子供達への慈善事業がメインになっていて、サネッティとその奥さんが運営しているらしい。
 僕は募金や寄付などの「偽善的な行為」にちょっと抵抗があったけど、最近は考え方が変わって、
「金さえ出せば偽善でもいい」と思うようになってきた。どんな思惑があろうが、金が集まってそれが正しい方向に使われればそれでいいやと思うようになった。なんで今回、このリストバンドをいくつか買ってみた。
 アルゼンチンは今経済不況に喘いでいて、この先の見通しも暗い。こういう時に一番影響を受けるのは社会の弱者。僕はアルゼンチンからは何の恩恵も受けていない。受けた医療、教育は私立だったし、祖国としてのアイデンティティもそんなにないけど、それでも何かしらの影響は受けているハズなので買ってみた。このリストバンドの原価はおそらく5〜10円。そして売られている価格は1000円。どう考えても法外な値段。その金が正しく使われる保証もない。そして手首にこれを巻くのは「僕はまずしい人の事を考えています」というアピールになってしまう。でも、それでもいいかと思って買いました。
 僕がいたころからストリートチルドレンはいたし、今では状況はもっと酷いとよく聞く。僕らが今住むこの日本の社会とは比べ物にならない貧しさと厳しさがアルゼンチンの社会にはあって、正確にいうと日本と一握りの先進国以外の国でもそうだろう。その原因や対策などを話すととても大きな話しになって解決しないのは目に見えるので止めておく。僕が使った金が正しく誰かにわたればそれでいいや、と願うばかりです。

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