未来を信じている

 僕は好きなんだけど、イマイチ知られていないジブリの映画で
「となりの山田くん」
というのがあって、何度見ても笑ってしまうシーンがある。奥さんと姑さんが桜を観ながら会話を交わすシーンである。

奥さん「今年の桜も綺麗ですね」
姑さん「そやなあ。あと何年見れるやろか・・・」
奥さん「お義母さん・・・」
姑さん「あと20回ぐらいやろか」

というシーンである。70歳を超えたおばあちゃんに誰もが、あと何年生きるつもりなんだよ!と突っ込むシーンである。 

 この前の日曜日に父が庭をいじっていて、何をしているのかときいたら、種を植えているのだと教えてくれた。両親ともガーデニングは昔からやっていて、1年を通して花が咲いているように季節によって育てる花を変えたり、色々と工夫している。愛犬のユリも姪っ子もこの庭の空間が好きでよく遊んでいて、小さいながらも憩いの場になっている。
 何気なく父が植えた種のパッケージの注意書きを見ながら、
「花が咲くまでに役4年かかる」
みたいな事が書いてあって、唖然とした。ガーデニングでの常識を僕は知らないけど、普通にあることなのかな。その4年間というのがずっと頭に引っかかっていて、ずっと考えていた。父はいい歳だし、その経験のなかで4年間という時間を特別に長いものに思わなくなったのかな、とか。4年って長くない?ってきいたら、
「花が咲くのはもちろんいいんだけど、育てる楽しみもある」
という答えだった。なるほどなあ、と思った。そして世の中ってこの考え方で色んなことが上手くいくんじゃないかと思った。つまり、父は4年後に花が咲く種を植えながら、4年後を信じているんだよね。そして花が咲くことを待ちながら、その4年間も楽しめる、と信じているのだ。きっと生きることってこの連続で、未来を信じることで多くのことを乗り越えられるんじゃないか、と思うのだ。4年後にはまたワールドカップがやってきて、今度はPKのシュートが決まるかも知れない。アルゼンチンももっといいチームになっているかも知れない。姪っ子もその花を見れるかも知れない。そのために今日のこの1日がある。
 今日、新しい何かを始めた人はその何かを通じて自分の未来を作っている。日々迷ったり苦しいこともあるけど、多分、これだけで多くのことが解決する気がする。「となりの山田くん」のあのシーンの意味がやっとわかったわ。
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