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ボクシング、どこへ行く

 それにしても、今日のスポーツ新聞は真っ正面から亀田を批判していて、
「あ、やっぱり世の中の受け止め方はそうだったのか」
と納得。僕もあとから試合を見てまた納得。
 以前にも書いたけどボクシングは本当にストイックなスポーツ。モデルより少ない食事でマラソンランナーより走るし、その上汗を一滴単位で出すために自分の体を絞り、水を飲まなくても小便を出す。体も心も極限状態に追い込んで、ある意味人間らしさを失う所まで行く。そんな2人がリング上で拳を合わせる訳だから、ボクシングは他のスポーツとはちがう雰囲気が漂う。リング上では政治も金も生い立ちも社会的な立場も関係なく、2人の人間が拳と拳で戦う。個対個、人間対人間の純粋な戦い、それはボクシングだ。間違ってもそこにビジネスが入り込んではいけないし、結果を操作するような事はあってはいけない。
 今回の一戦で日本のボクシングの大事な何かが損なわれたのかも知れない。冗談抜きで取り返しのつかない事になってしまったのかも知れない。僕は素人だけど、ボクシングを見るファンは素人なので、みんながそっぽを向くような事があれば興業としてのボクシングは成立しない。本当に致命的な事かもしれない。でもそんな事はどうでもいい。 
 リング上で死んだ選手はたくさんいる。有名になった選手もいれば、無名のまま去った選手もいる。大きな怪我を負ってその後の生活に支障をきたした人もいる。彼らの家族、トレーナー、仲間、ファン、ボクシングに関わる人たち全員の努力でボクシングは今まで続いてきたのに、なんだかそれが損なわれた気がして悲しすぎる。本当に血の滲む努力をした人を僕はみたので、尚さら悲しい。悲しいというか、頭に来る。このままでは日本のボクシングはショウになってしまう。ショウはスポーツじゃないから、本当のチャンピオンはこの国に存在しないと言うことなってしまう。いいのか?

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