第9地区

 兼ねてから色んな所で話題になっていた映画「第9地区」を観た。これが評判通りの傑作で本当に面白かった!
 ストーリーがちょっと新鮮だよね。20年前に地球に飛来した宇宙船が南アフリカの首都、ヨハネスブルグで浮いたまま動かなくなった。3ヶ月たっても何も起きないから中に入ってみたら弱っている宇宙人がウジャウジャ。で、これらの宇宙人を管理するためにキャンプに閉じ込め、20年の間にそのキャンプがスラム化。宇宙人どもは知能が低く、おまけに2本足で歩くエビのような姿をしている。口の周りには変な触手が生えていて、それらが常時ピクピクと動いていて、とにかく醜いのである。といわけで宇宙人たちは人間に迫害されているのだ。
 こういうSF映画って人間が被害者のものが多いんだけど、これは全く逆。宇宙人はバカで格好悪くて、身体能力は高いんだけどそれを活かす術を知らない。しかも猫缶が大好物。バカだからギャングに面白いように騙されたりもする。そして主人公の人間もこれまた似たような冴えない奴なんだけど、中盤以降、最高に格好良く見えてくるから不思議である。
 滑稽な物語でありながら、この映画は実はすごくリアルに思えてくるんだよね。南アフリカでが舞台だし、収容場や宇宙人の立ち入りを禁ずる看板はアパルトヘイトそのも。設定もすごく丁寧に上手く作られていてグイグイ物語に引っ張られる。しかし、何よりも上手く出来ているのは、見ているうちに冴えない主人公と宇宙人に感情移入をさせられる作りかたである。ネタばれになるからこれ以上は書けないけど、最後まで一気に駆け抜ける疾走感を含め、必見である。宇宙人フィギュア欲しい。
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