連続試合出場とプロスポーツ

 阪神の金本選手のフルイニング連続試合出場が1492試合で止まった。怪我の影響でまともに返球も出来ない状態から、自らスタメン落ちを監督にお願いしたようだ。99年の7月からずっと試合に出っ放しだから、レフトにいるのが当たり前みたい感覚のファンが多く、スターティングメンバーに金本の名前が無かった瞬間どよめきが起きたそうだ。
 実感が出来ないぐらいのスゴイ数字なんだけど、逆にそれがプレッシャーになり、本人は休みたいと言えず、監督も休めといえず、ファンは休んで欲しいけど記録も伸ばして欲しい、という三者三様の複雑な思いを抱えていたはずである。しかし、そこは勝負の世界。他球団はあからさまにレフト狙いバッティングをくり返し、浅い犠牲フライでもタッチアップできてしまう体たらく。この状態では勝てる試合も落としてしまう。
 連続出場の記録というのは一回っきりの記録で、2度目のチャンスは絶対にない。それだけに自分から休みを志願するのは勇気のいる行動で、非常にカッコいい。自分の都合だけでチームに迷惑をかけるわけにはいかないのだから、ある意味では当たり前に思えるけど、これって面白い問題を孕んでいるよね。つまり、
「プロ野球は勝つことが全てなのか?」
という問題である。プロ野球には「魅せる」という側面も間違いなくある「興業」なんだから、客が何に喜ぶかが大きな基準のひとつである。フルイニング連続試合出場というのは金本選手にしか出来ないもので、それだけのため金を払うこれ以上ない「出し物」なんだから、もったいなすぎ、とも言えるよね。
日々 | comments (12) | trackbacks (0)
calendar
<< April 2010 >>
SunMonTueWedThuFriSat
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
selected entries
categories
archives
recent comments
profile
others