フロム・ヘル

from_hell この前、19世紀ロンドンのことを書いたときに、読みたいコミックがある事を思いだした。それがこの「フロム・ヘル」で、読むのにすごく労力がいることと、上下巻で合わせると5000円以上する価格がどうも引っ掛かってしまって中々行動に移せずにいた。「シャーロック・ホームズ」に背中を押され、ついに買ってしまった。ちょっとずつ読み進んでいるだけど、読んでいるうちにコマに吸い込まれる気がして、本当に面白いコミックである。ちょっと前に「ウォッチメン」の事を書いたけど、この「フロム・ヘル」も同じ作家の作品で、「ウォッチメン」同様限りなく深い物語で、圧倒的な構成力で頭を使わされる快感みたいなものがある。集中していないと全く分からない、しかし集中して読めばその世界に入っていける不思議な魔力みたいなものがあるんだよね。
 「フロム・ヘル」は切り裂きジャックの事件を題材にしている。と同時に当時の社会や風俗、格差と人々の狂気を描いている。「切り裂きジャック」は捕まっておらず、未だに真犯人や真事実が出てきたりする。数え切れないほど映画になったり小説になったりした衝撃的な事件なんだけど、5−6人しか殺してないんだよね、変な言い方だけど。容疑者も王家の人から一般人までと幅広く、これと言った確定的な証拠がないことが神秘性に繋がり、それが魅力に繋がっている。
 まだ途中までで、この先が楽しみだが、ちょっと読み進めば読み返す、というサイクルだから時間がかかりそう。しかし、絵が全然簡素なんだけど奥行きがあって、物語に入れる感じがして全然飽きないんだよね。
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