our last days

　今映画館でかかっている「シャーロック・ホームズ」を観たんだけど、これが最高！と思えるぐらいに面白かった。ホームズとワトソンの関係といい、ルパンの富士子ちゃんみたいなレイチェル・マクアダムズといい、展開、謎解き、アクションシーン、とにかく何もかもがいいんだけど、何がいいって19世紀のロンドンの雰囲気である。

　僕が生まれてちょっとの時にアルゼンチンとイギリスはマルビナス（フォークランド）戦争をしていたから非常に中が悪い。僕は人生のなかでイギリスの地を踏むことはないだろうし、（miniONEも買わなかったし笑）タイムマシーンがない限り無理だけど、出来ることならばこの19世紀のロンドンに行ってみたいと思う。産業革命で生活が現代に近いんだろうけど乗り物は馬車だし、ずっと雨が降っているから道路は常に水溜りだらけ、人々は皆不潔で、汚物を窓から投げる時代なんだから住むには最低の場所だろうけど、なんとなく惹かれる雰囲気がある。
　「名探偵ホームズ」もそうだけど、19世紀のロンドンといえば「ジャック・ザ・リッパー」もいるし、「エレファントマン」もそうだし、「オリバー･ツイスト」もいて、それは全部映画になったり小説になったりしている。近代化が猛烈なスピードで進むんだけど、人々は未だ中世の頃のような生活を送っていて、科学は進んでいるが迷信や魔術の存在もリアルで、それらがロンドンの朝靄や暗闇の中ではきっと真実味をもって感じれたに違いない。時代が決定的に変わる瞬間がたくさんあった時期なんだよね。
　
　映画「シャーロック・ホームズ」はそのロンドンを舞台にしていて、有名なスポットがたくさん出てくる。ホームズはその場所の匂いを嗅ぐだけで自分がどこにいるのかを特定できるぐらいのロンドンっ子として描かれているし、街に対する愛情が感じられるんだよね。監督のガイ・リッチーがイギリス人だし、原作もそうなのかな。そこに住む人が自分の街を愛するというのは素敵なことで、僕にそれはないのでちょっと羨ましかったりする。まあ、僕がそんな不潔な街に行ったら一発で変な病気にかかるだろうけど。