奇跡

 普段全く使用しないものがある日突然、必要になることってあるよね。印鑑証明のカードとか、契約書の控えとか。よっぽどズボラな人でもなければ、大事な書類が
「あれ?どこだっけ?」
という事にはならない。僕も分かりやすいようにちゃんと整理してあって、いざという時にアワアワとはならないけど、盲点があった。それはクレジットカードの暗証番号である。
 僕が持っている唯一のクレジットカードは学生の時に作ったもので、もう10年以上使っている。ネットの買い物は全部このカードだし、結構頻繁に使っているけど、今思えば暗証番号を求められた事はなかった。求めらないものだから、暗証番号の存在すらをも忘れていた。もちろん、当時の書類はもうないし、どこかに書き留めていることもない。
 で、今日、いきなりその暗証番号が必要になった。もう絶望だよね、だって10年以上使っていないんだもん。再発行は封書での対応で一週間後にやっと届くんだけど、1週間後ではもう遅い。しかたなく
「これなんじゃないか?」
というそれっぽい番号を入力している。キャッシュカードのようにチャンスは三回までではなかったから、それっぽい数字をどんどん入力していった。もちろん数字が合うわけがなく、画面に赤い文字が浮かぶばかり。これは本腰を入れてカードを作った頃のことを思い出しながら考えるしかないなあ、と自分の中で思ったんだけど、それで思い出す可能性なんてないに等しいじゃん!とも思っていた。当時のことを思いながら、自分がつけそうな番号を考えていく。この時点で自分と向きあうという、ちょっと哲学的な感じが漂ってくる。もちろん、希望の匂いなんてしないんだけど。
 そうこうしている時にアレ?アレレ?みたいな数字が浮かんで、それを入力してみたら今までかたくなに僕の侵入を拒んでいたPCが見たことのない画面に変わった!開いた!!!!!!もうこれは奇跡に近い偶然です。ばっちりメモっておきました。必死で思い出せば案外どうにかなるもんだな。
 
日々 | comments (4) | trackbacks (0)
calendar
<< October 2010 >>
SunMonTueWedThuFriSat
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
selected entries
categories
archives
recent comments
profile
others