いつからか

 昔、映画がTVで上映される時に、映画解説者による上映前の解説、上映後のまとめの時間があった。解説の人がその映画の情報や感想を話していたのである。僕はその解説とまとめがとても好きであった。
「では、ゆっくりとお楽しみください」
と解説者が言った後画面が真っ黒に変わり、TVから一切の音がしなくなるあの静寂の一瞬。これから始まるであろう冒険のワクドキ感を増幅してくれた。この一瞬は映画館で映画を見るときの感覚とすごく似ていて、予告編が終わり、映画会社のロゴが映され、人々は座りなおすあの
「さあ始まるぞ」
という感覚と同じで、それが最高なんだよね。解説者の存在を含め、この前説・後説がなくなってからどのぐらい経つのだろう。

 今TVでかかる映画のほとんどはプロモーションの一環で、封切される映画の関連作、前作ばかりだったりする。ある意味ではこれは上手いやり方だとは思うんだけど、この「映画をTVで流す」という事には映画文化そのものを育てる側面が間違いなくあるんだよね。多くの映画好きの第一歩は昼間の12chで見た映画から始まっていたりするのだから、バラエティに富んだラインナップをそろえて欲しいと思う。映画好き人口が増えればTVで流す映画の視聴率もあがるんだし、どっちだけが栄えるって事は難しい。映画とTVはセットなんだから。まあ、僕の世代は淀長先生の「さよならさよなら」世代だからね。
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