ルーツ

 昨日の夜にTBSで「99年の愛〜JAPANESE AMERICANS〜」というドラマをやっていた。5夜連続らしいから、今日もやったのかな。100年前にアメリカに移民として渡った日本人達の苦労の物語である。100年前のアメリカでは反日運動だってあったし、その後太平洋戦争が起きるから苦労に苦労を重ねるドラマになるのあかな。まあ、移民というのはただでさえ弱い立場で、全てがゼロから始まるものだから普通にドラマチックである。
 ドラマなんて見ないんだけど、やっぱり僕のルーツにも似ているから何となく見てしまった。僕の世代の日系人は確立された日系社会の中で育ったので、当時の苦労は知らない。このドラマの様に日本人は花屋かクリーニング店を経営したのは本当で、僕の親戚にもどっちもいる。店を持っているわけだから社会的な地位もそれなりにあったわけで、僕自身はまり苦労を知らないんだね・・。アルゼンチンは移民の国でありながらも、外から来る存在を歓迎しない国で、当時の苦労を想像するのは簡単だが、きっとそれでも足りないぐらいの辛い時代だったに違いない。
 今では考えられないことだけど、何のつてもない異国に飛び込んでいく時代があったと思うと、なんとも切ない気分になる。片手には希望、もう一方には不安を握り、長い時間船に揺られる静寂の中でみんな何を思ったんだろう。当時の交通網だって発達していないし高価でもあったから、きっと全て片道切符だったに違いない。「もう帰ってこない」のが大前提にあったとしても、決意が揺らいだりしたのだろうか。
 どの国にでもあるリトル・トウキョーとチャイナ・タウンは、こうした移民たちが助けあう事で生まれたコミュニティなのだろう。互いの存在しか頼る所は無いのだから、当然だよね。
 子供の頃に色々と苦労話は全く理解していたくて覚えてもいないんだけど、今何となく思うのは、移民はきっと社会の役にたっていたのだろうってこと。それだって簡単なことじゃないだろうけど、社会に溶け込むことが自分達を守ることでもある。
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