アカデミー

 たしかすごーく前にも書いたけど、アカデミー賞は限りなく内輪だけでの投票で決まる映画賞である。もちろんそこには損得の関係があり、恩の貸し借りがあり、仕事上での世話のやりとりがり、必ずしも中身を伴った評価で映画賞が決まるわけではない。ほぼ政治的な基準で決まるものだから、映画の表現を変えてきた映画は受賞をしてないんだよね。
 映画史に残る最高の名作としてオーソン・ウェルズが撮った「市民ケーン」というのがある。新聞王になり、ありとあらゆるものを手に入れながらも結局は孤独、という男の物語である。モデルとなったのは当時の新聞王ハーストであった。ハーストは当時の実力者中の実力者で、この映画を見て激怒。あまりの怒りにありとあらゆる業界に働きかけ、この映画を潰そうとした。アカデミー賞では作品賞を含む9部門でノミネートされていたけど、妨害により脚本賞しか受賞できなかった上、興行的にも失敗させられた。ハーストを恐れた業界はオーソン・ウェルズを敬遠し、オーソンは干されてしまった・・。
 「市民ケーン」は今ではどのビデオ屋にもあって、名作中の名作として後の映画に影響を与えまくっている。が、アカデミー賞では苦い結果に終わっているんだよねー。毎回毎回そうだとは思わないけど、アカデミー賞をとれなかった作品に目を向けるのもアリ、ということかな。
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