瞳の奥の秘密

 映画を観ていると、たまあに「これはすごい!」と思える作品と出会ったりする。去年の外国語映画アカデミー賞をとったこの「瞳の奥の秘密」もそんな一本であった。
 「瞳の奥の秘密」はアルゼンチン映画で、25年前の未解決事件をモチーフに小説に書き始めた主人公が、その事件の真相に迫ると同時に、とある女性への愛を思い出すストーリーである。サスペンスでありながらもラブストーリーの要素もあって、それが上手く絡んでいるんだよね。とにかく映画の作りが上手く、複線の貼り方やドラマの盛り上げ方、登場人物の描き方が完璧である。ラストには予想もしない展開まで待っていて、本当によく出来た映画である。
 この映画の舞台は80年代のアルゼンチンで、僕ら家族はまだアルゼンチンにいた頃である。そのためか父や母の食いつき方がすごく、2人とも絶賛していた。僕は覚えてもいないけど、当時のアルゼンチンは政治的に不安定な時代で、当時の時代考証がすごくちゃんとなっているらしいんだよね。人々の格好や車、町並みや看板までもがちゃんと再現されているらしいんだよね。こういう細かいところを真剣に描くのもいい映画の条件で、この映画はこの点でも抜かりない。
 映画の楽しみ方には色々あって、楽しいとか感動とか興奮とか、その人なりの楽しみ方があるけど、なんていうか、この映画は「構造すらも美しい」という感じで、普段の映画では感じないところにも美しさが光っている。
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