our last days

　カズはあのゴールを決めたことで、いよいよ「神」の域に達するんじゃないか、と思っている。

　あのゴールが生まれた背景にはカズの日々の努力があり、血のにじむような鍛錬があり、徹底した自己管理があり、そして未だに「サッカーを上手くなりたい」という情熱がある。毎日諦めずに努力を続ければいつか報われるというこの事実は、大きな災害と対峙している日本に対する最大の意思表示であり、最高の希望を示してくれている。今この時代
「やれば出来る。積み重ねはちゃんと未来に繋がる」
という事をこれだけ明確に示せる人はいるだろうか。そもそもカズが44歳になりながらも、今日のこの試合までに走り続けたこと、そして対戦相手が愛し、未だに諦めていない日本代表であったことにも大きな意味を感じる。夢のようだけど、夢じゃない。奇跡のような現実。人間ってすげーなー、と思う。
　
　もはや「カズ」は三浦知良という人間から飛び出したヒーローなんじゃないかと思う。人々がカズに対して、サッカー選手以上の何かを求めているような気もするし、それに答えてくれそうな感じもあるんだよね、実際。カズダンスの後、天に指を突き上げた瞬間、僕はカズはスーパーマン的な何かなんじゃないかと思った。変な話、あの瞬間、どんな芸能人や政治家やアイドルが成しえられるよりも、ずっとずっと大きい
「一体感」
があったんじゃないかと思う。あれが多分「心を一つに」なんじゃないのかな。