お盆

 今年の邦画の傑作に「13人の刺客」ってのがあって、隠し子騒動以降影がくなってすごく格好良くなった山田くんが出ている。(汚い山田君ってかっこいいよね)。その山田君が死を覚悟した出発の時に、好きな女性に
「死んだらお盆に帰ってくるよ」
という場面がある。どっちに転んでも死ぬのね、ってちょっと切ない場面でもある。

 お盆に死者が帰ってくるって発想は良く考えるとちょっと怖い。子供の頃にお盆の意味を初めて聞いた僕はとても怖かった事を憶えている。僕のイメージ的には、この世のものとは思えない姿をした魑魅魍魎が列をなして暗闇の中をうごめく姿で、怖かったんだよね。その時期には怖い番組も多いし。
 今思うと、直接的なそのイメージもそうだけど、人々が「死者の魂」的なものが帰ってくるその価値観を共有していることが怖かったんだよね。死との近さを皆認めていることが不気味だったのだとう思う。
 あれからちょっと大人になって、お盆の本当の意味とか、文化によって死の捕らえ方がちがうことを悟ったりしているうちに、何となく素敵な風習であることを理解できるようになった。ただ、ちょっとビビッていたあの頃の感覚を失くすのも惜しいなあと思ったりしている。笑。きっと、多分だけど、子供の頃の夜の闇のほうがずっと暗かったんだろうなあ。
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