ものを捨てる時

 学生の頃に粗大ゴミに捨てられていたラジカセを拾ったことがある。ご丁寧にも説明書とリモコンがテープで貼り付けられていたので、使えるんじゃないかと思い持って帰ったのだが、普通に使えた。割といいもので、外部入力まで付いていて、今も現役でがんばっている。僕が学生だった10何年前までは粗大ゴミに良いものが落ちていると言うことで、定期的にチェックしている人までいた。貧乏学生の仲間たちは電化製品や家具を拾ったもので揃えている強者もいた。
 世の中にはどうしても物を捨てられない人がいる。配達のバイトをしていた時に実際にテレビで見るようなゴミ屋敷におじゃましたことがある。ゴミ袋をかき分けながら出てきた家主を見てびっくりしたのを憶えている。いるんだよね、本当に。僕は一人暮らしの引っ越しを経験してからもう物は貯めない、と堅く心に誓ってから入らないものは極力持たないという事にしているけど、捨てることの難しさは理解しているつもりである。また見たくなるかもしれない、必要になるかも知れない、読みたくなるかも知れない、二度と手に入れられないかも知れない。手放さなくていい理由ってたくさんあるんだよね。
 とはいえ、「必要なものと必要でないものを見分ける」ことと、必要でないものを処分する能力って必要なんだよね、きっと。変な話、何かを捨てる度に人は成長する気もしている。
 
 今日、ゴミ捨て場の横を通ったら、白い陶器で出来た何かが捨てられていた。気になって注視してみたんだけど、白いマリア像だったんだよね。何か悲しいような怖いような、ちょっと気持ち悪い気持ちになったけど、その裏には色んなドラマがあるんじゃないかと想像できた・・。ああいう宗教的なものってどう処分するものなのかね・・。
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