探すのをやめた時

 なくした物を必死で探しても見つからないのに、探すのをやめた途端みつかるというのは良くある事である。いや、「良くある」は言い過ぎかな。それが本当であれば、「あえて探さずに出てくるのを待つ」という作戦を毎回使えばいいわけなのだが、そう言うわけにはいかない。
 僕は子供のころからVICTORINOXのナイフをずっと使っている。そのナイフの側面には小さなピンセットと爪楊枝を入れるスペースがある。すごく便利で毎日使っている!というわけではないけど、この前をのピンセットを無くしたのである。ピンセットを無くすのは実は初めてではなく、前にも何度かある。その穴が空いているのが気持ちが悪いので無くす度に買っているのだが、そこら辺で売っている商品でもない。VICTORINOXのお店に行かないといけないので、何かと面倒なのである。
 というわけで一生懸命に探したのだが、全然出てこない。出てくる気配も「ゼロ」なのである。いい加減諦めて買うことにしたのだが、中々行けずにいるなか、出てきたんだよね〜。しかも毎日昼ごはんを食べている椅子の下に落ちていたのである。多分、何回も見てるんだよね、そこ。何回も探すのをやめた途端、ってやつである。妖精?小人?見てないだけ?なんだろね、本当。
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