トレスポ

 昨晩、久しぶりに映画「トレインスポッティング」を見た。今「スラムドッグ・ミりオネア」が注目を集めているけど、監督のダニー・ボイルの名が世に出たのがこの「トレスポ」である。
 「トレスポ」とはスコットランドを舞台に、ヘロイン中毒の若者のどうしょうもない日常を描いた青春映画である。とにかく麻薬を摂取する描写とラリっているときの表現が多く、公開された96年に見た時には
「こんなの上映していいのかよ」
と思ったものである。
 見直すと良くわかるんだけど、この映画では麻薬の怖さをこれでもかと描いている。●●が死んでいることに気づくシーンもそうだけど、麻薬をキメる事しか考えていない主人公たちはこれでもかと惨めに、格好悪く描かれている。主人公のレントンも自分のあまりの惨めさに一度は死にそうな苦労をしながらも薬を断ち、全うに生き始めるんだけど、軽いきっかけでまた手をだしてしまう。まるで何もなかったかのように、慣れた手つきで針を刺す姿は一瞬ホラー映画のワンシーンに見える。
 麻薬問題はおそらく96年と変わらず、より酷くなっているのかも知れない。そのためが、トレスポは今見ても新しく、新鮮である。
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