テレビは社会

 忌野清志郎さんが亡くなったニュースが大きく扱われている。僕はファンでもなかったけど、歌手としては他の人とはちがう何かを持っている感じは受けていた。残念である。そしてもっと残念なのは、このニュースだって来週にはきっと報道されていないだろう、という事である。
 今、北朝鮮のミサイル問題を追いかけている局はあるだろうか。あんなに大騒ぎだったのに、今では全く話しをきかない。おそらく「発射した後の今」の方が問題であるはずである。同じ事が小沢一郎の秘書問題にも言え、草なぎ君の問題にも言え、今の新型インフルエンザにも言えるだろう。ここの所、テレビの話題が

北朝鮮のミサイル

小沢一郎の秘書問題

草なぎくんの問題

新型インフルエンザ

と移っている。そして面白い所が、一つの話題が出てきたらその前の話題が綺麗サッパリと出てこなくなる事である。良いことなのか、悪いことなのか、イマイチ判断が付かないけど、前のニュースが消えることは不自然な気がする。
 おそらく今ニュース番組の並列化みたいな事があって、どの番組も同じ事を報道している。おそらく各局、他の局の動きをみながらニュースの扱い方を決め、それから報道をするので、どこも同じになってしまっているのだろう。問題は、それを見る方は報道の大きさで事件の大きさを判断してしまうので、全局でやられちゃうと、とんでもない事件なんじゃないかと思えるのだ。冷静になれば草なぎくんの問題はどうでもいい話題だって気づくと思うけど、あんなに大きく報道されると、大事件なんじゃないかという気がしてくるから不思議である。
 おそらく僕らが認識する社会とか、世の中というのは
「テレビで報道される社会であり、世の中」
である。テレビに映る世界が僕らの世界なんだよね。自分の周りで起こっている事、自分の目で見ている事に関しては独自の判断が出来るけど、自分の判断が及ばない大きな範囲、つまりテレビで報道されるものに関しては判断のしようが難しく、そのまま受けてしまう事が多い。しかしそれはマスコミが決めた「世界、世の中」だから、何だか不自然な気がする。これでは北朝鮮の報道と同じになってしまう。北朝鮮のニュース番組を見ているとアナウンサーの話し方が面白くて笑ってしまうけど、日本だって変わらないんだよね。本当に怖い世の中である。
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