心に引退はない

 ゴン中山がついに戦力外通告を受けた。本人はまだ現役に拘わり、ジュビロ以外のユニに袖を通すことになりそうだ。
 このニュースを受けてゴン中山の事を可愛そうだ、と思った人もいるでしょう。今までジュビロ一筋で頑張ってきた選手に冷たいんじゃないか、と。今のジュビロがあるのは中山選手のお陰である事は明白だし、戦力としては磐田を強豪に持ち上げ、そのキャラで客を呼んだ。ジュビロの礎を気づいたのはゴン中山であることは間違いない。そんな選手を戦力外通告にするなんて・・・。

 僕も最初はそう思ったのですが、良く良く考え見たらジュビロの方が困っていたのではと気づきました。そもそも試合に出ない選手に年俸を払い続ける潤沢な資金なんて無いはずだし、本人が「引退する」と決めるまで待っていられません。引退を決めてくれれば引退試合とか色んなイベントで金儲けも出来ようが、その気配は全くない。クラブ一筋に頑張ってくれた英雄をクラブを上げて送り出すのは球団としての最大の見せ場なのに、それも出来ない。こういった形でチームきって最大の功労者を送り出すのは会社としてのジュビロ、球団としてのジュビロ、チームとしてのジュビロ、みんな不本意に思っているハズです。そしてゴン中山の背中越しにJリーグの歴史を見てきたファンだって残念に思っているハズです。ファンも球団職員も、選手だって
「俺らの中山を俺らの手で送り出したい」
と思っていたことでしょう。しかし、そうさせなかったのはゴン中山本人の、プレイスタイルに似た諦めの悪さなのです。しかし、僕はこういった選手が大好きなのです。

 42歳まで死ぬ思い出ボールを追いかけてきたんだから、もうゆっくりしてもいいかな、という思いが頭をよりがらないのだろうか。たまあに解説してみたり、メーカーのイベントに顔をだしたり、OBとして先輩風を吹かしたりして。僕もTVに出てもらって、ドーハで何を感じたとか、フランスW杯の感想とか、中田英の生意気っぷりや、ちょっと感動的な裏話を披露して欲しいとも思います。しかし、そうはならないでしょう。

 その根性ともいうべき「強さ」ってどこからくるのだろうか、と思ったりする。きっとチームメイトの誰かがシュートを外すたび、
「俺だったら決めているね」
と思っているだろうし、
中々育たない日本人FWをみて
「やっぱり俺がやらないとダメだよな」
と思っているに違いない。もうここまで来ると本人は金や名誉に執着がない事は明白。マスコミが注目しなくなっても、ヒッソリとどこかのチームで蹴っていることでしょう。僕らに出来るのは今までと変わらない熱さで応援することだ。がんばれゴン!まだ代表あるぜ!
 
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