寒い

 この季節になるとアウターが買いたくなって困る。毎年毎年、
「これは一生もの。ずって着れるぜ!」
と思って買うんだけど、結局毎年惹かれるものがある。財布に優しくない季節である。

 それにしても寒い。体が起きだすと平気だったりするものの、朝、ベッドから出る瞬間が一日の中で一番厳しい。大人になった今でだってそう思うんだから、ガキの頃はきっと親に迷惑をかけたことだろう。
 
 フットサルをしていると寒さを直に感じることが多くある(一昨年やった駐車場係りもキツかったよね)。いつも以上に体が温まるのに時間がかかったり、一度暖めた体が冷えるのも早かったり、試合中にベンチに座っている時間も地獄である。それも一度は汗をかくぐらいまでに動いた後だとなお更。ユニの上から色んなものを着ても、いつのまにか足が震えている自分に気付く。朝一の試合だと、空気を吸うだけで鼻が赤くなったりもするしね。でもまあ、これは野球の方が環境が悪いかな。外だし、朝はもっと早いし。

 人生で今まで一番寒い思いは何かな、と考えていたら突然記憶のフタがあいて、とんでもないことを思い出した。
 僕の父は若いことはかなりのアウトドア野郎で、特に釣りに目がなかった。母もそうで、夫婦で釣りに良く行っていたらしい。僕の歴史の中での一番寒い思いはまさに、みんなで釣りに行っていた時のこと。時期は真冬で、雪が降るか振らないかぐらいの寒さの頃の事、僕は4,5歳であった。記憶はすごく曖昧なんだけど、覚えているのは父が釣り竿を振っている姿。寒いので防寒具を何重にも着ているのを覚えている。その姿を見ながら、僕は一人で遊びながら急な斜面を走って下っていた。そしてあまりにも勢いでが付きすぎて曲がりきれず、そのまま川に突っ込んだ。その先から記憶がない。
 父が言うには、
「釣りをしていてたら後ろの方から変な泣き声がするので見てみたら、たくさんの鳥が暴れていた」のだそうだ。もちろんその原因は僕で、そこに鳥がいなかったら僕は気付かれることなく、今この文を打つことがなかったって事である。それからが大変で、体温が下がって死ぬんじゃないかと思いながらも暖めてくれて何とかなったらしいけど、何年もたった今でも「笑い話に出来ない」ぐらいの状態だったのだそうだ。まあ僕は全く覚えていないけど。
 現代ではいくら寒いとは言っても、命の危険を感じることはない。でも寒さって自然の残酷で危険な側面の一つなんだよね。僕らはその怖さを知らないんだろうなあ、本当は。
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