マネーボール

 そういえば、「マネーボール」を観たんだけど、期待通りのもので非常に満足である。ブラピには「ファイトクラブ」で演じた「タイラー・ダーデン」という当たり役があって、もはやブラピの存在を超えてキャラの方が人気があったりするんだけど、今回のビリー・ビーンはそれに匹敵するぐらいの役でファンとしては非常に嬉しかった。
 ビリー・ビーンは野球における伝統や習わしを一切無視して、数字だけを信じるやりかたを取る。今までのやり方と違うわけだから、とにかく反発にあう。それらを物ともせず慢心するクールな人なのかと思ったら、全然違うんだよね。数字だけを判断材料にするやり方には最後の最後まで
「本当にこれでいいのかな」
と迷うし、こともあろうに、
「自分が球場に行くとチームが負ける」
というジンクスを信じちゃっているんだよね。数字しか信じないと決めた奴がジンクスを信じるのかよー、と思うんだけどそこなんとなくリアルでいい。
 映画としてはスポーツ映画にありがちな演出や感動的な場面をほとんど採用せず、たんたんと出来事を描いていく。だから、気合いを入れるシーンとか、怠けていた奴が心を入れ替えるシーンとか、試合前のいい言葉とか、ありがちな場面が全くないんだよね。それは数字こそ全て、計算通りにものごとが進めばいい、という戦い方と似ていて説得力があるのだ。
 僕はスポーツにおける数字に表れない部分、人と人の関係性や努力の中から一瞬生まれる奇跡を信じている方なんだけど、こういう考え方もありか、と思った。
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