ブルー・イン・ザ・フェイス

 忘年会。時期だから、店内は人でごった返している。僕らは席に予約をしていたので待たずに店内に案内された。ちょうど同じタイミングで隣の席にも4人の男で埋まった。4人の男ではあるものの、ジャンル分けをすると3:1で分けることが出来た。3人は青木雄二の漫画に出てきそうなナリ、もう一人はそこら辺にいそうな20代後半の男性。そしてその一人だけ違う男性が僕の隣の席に座った。狭い店内の隣同志のテーブルだから、案外近い距離感であった。
 僕らは普通に食べ普通に飲んでいたら、どうも隣の男性の様子がおかしい。気にもしてなかったからあんまり見ていなかったんだけど、改めて顔を見てみたらもう真っ青である。よくギャグマンガとかで見るけど、まさにそんな
「青」
であった。耳を澄ましてみると、残りの三人が
「ごめんね」、「プレッシャーかけすぎたね」、「ピッチが早かったからね」
と声をかけている。男は
「らいじょうぶです」
と言ってはいるものの、明らかに先輩たちに気をつかっているだけである。彼は眉間を指でつまみながら目を閉じている。先輩が冷たい水を注文してあげていた。僕はこっちで食べながらも、どうにも隣が気になってしかたない。いつの間に顔色はか青から白に変わり、彼はトイレに消えていった。彼らのテーブルの上にはいかにも高そうなコースの鍋が鎮座しているものの、3人には明らかに多い量であった。
 あまりにも見事な「真っ青」だったから、一瞬本気で引いてしまった。が、
この時期に日本のアチコチで起きている日常なんだろうなあ。
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