形のない

 クリスマスの鉄板映画「34丁目の奇跡」は実にいい映画である。見ている人は案外少ないんじゃないか、とも思うので未見の人がいたら是非お勧めしたいです。
 この映画で「自分が本当にサンタクロースである」と言い張るおじいちゃんが出てくる。このおじいちゃんがデパートに雇われ大人気になり、商売敵がその人気を潰すためにおじいちゃんを精神異常者として告発し、収容所に入れる。おじいちゃんに弁護士が付くんだけど、おじいちゃんを外に出すためには
「彼が本当にサンタクロースであること」
を証明しないといけない訳で、ここから映画は法廷劇になっていく。弁護士は途中で、
「サンタの存在を証明しても意味なんてないでしょ、やめなさい」
と言われるんだけど、彼は
「この裁判はサンタの存在が問題ではなく、サンタが象徴するもの、愛とか優しさとか思いやりとか、そういうった形のない物の存在を証明するための戦いなんだ」
と反論する。僕はこの部分がすごく好きなんだよね。
 
 クリスマスは世界が一年の中でもっと平和を意識する日である。一年を振り返りながら、みな今年体験し感じたことを思い出す。その中に
「自分が誰かにした、してもらった事」
も含まれる。ひとそれぞれだろうけど、誰しも一人だけで生きているわけではない。

 この一年は311を含め、人の力だけではどうにもならない、抗いようのないものが世の中にたくさんあることを知った。この世にはどうしょうもない大きな何かがあり、それがいつどこでどうやって牙をむくのか分からない。一寸先は闇であり、不確定であり、グラグラしたその上を僕らの日々が流れている。明日がくるかどうかは定かではないんだよね・・・。が、その逆に「34丁目の奇跡」にような思いやりや優しさも存在する事を知ったよね。なんだかんだでYAMEE-Tも売れて2万円寄付できた。似たような事を色んな人が世界中でやっていたはずで、それを思うと知らない誰かのために何かをした人は多かったんじゃないかな。こういう事でもない限り起こらないことではあるけど、起こらないってことは絶対にない訳で、それを知れただけでも世の中捨てたもんじゃない。メリークリスマス
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