証拠なしでの死刑

 あれからもう10年以上経つのか、「和歌山カレー事件」。事件の事すら忘れていたけど、最近の報道で色々と思いだした。当時は毎日の様に報道され、いい加減うんざりしたものだ。途中から保険詐欺の疑いも出てきたり、あのおばちゃんのキャラが確立されるにつれ、変な注目を集めた奇妙な事件であった。動機がまったくわからず、そして証拠が全くあがらかったが、あのおばちゃんの笑い顔を見た誰もが
「絶対にやっているにちがいない」
と思ったはずである。
 とにもかくにも物的証拠なしで死刑が下ったわけで、異例中の異例の判決である。証拠はないけど、どう考えてもあんただよ、って事で死刑になるのが引っかかる所。被害者の遺族を含め、ニュースを見ている誰もが
「アイツに決まってるじゃん」
と確信しているだろうけど、証拠が出てこないことには変な気持ち悪さが残ってしまうのも事実。嫌というほど自白を促されたと思うけど、口を割らなかったのはよっぽど根性が座っていたのかもしれない。検察側の状況証拠の信頼性が重要視されてのこの判決、って事になっているけど今後陪審員制度が始まったら同じ判決は下ることがあるだろうか。法律のプロからみれば当たり前の判決と思えるだろうけど、慣れない陪審員だったら証拠なしで死刑は下せないよね、きっと。死刑にするには絶対的な、水戸黄門の印籠みたいな証拠がないことには難しい気がする。僕だったら、ビビッて無期懲役とかにしてしまいそうである。それで正義が働くのだろうか。不安だ。
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