26世紀青年

 大変残念なことではありますが、昨日長々と書いた「WALL・E」は「26世紀青年」という映画を大きくパクっています。「影響を受けている」とオブラートに包みたい所だけど、それではカバーできないぐらいにアイディアをパクっと頂いちゃっています。

 この「26世紀青年」の一番悪い点はこのタイトルで、つけた奴にはいますぐに土下座して欲しいぐらいです。現代は「Idiocracy」でIdiot(バカ)とDemocracy(民主主義)をあわせた造語になっていて、「バカ主義」みたいな意味である。
 タイトルの通り、この映画は26世紀の地球を描いている。26世紀の地球はめちゃくちゃになっている。植物は育たず、どこもかしこもゴミだらけ。なぜなら、みんなバカになっているからである。
 インテリと教育レベルの低い人とでは、産む子供の数が全然ちがう、というデータがあって、インテリのカップルは中々子供を生まないのに教育レベルが低いカップルはドンドン産む。教育レベルが低い人が断然多くなるワケで、26世紀ともなればバカが増えている!という設定になっている。そんな時代に、現代から冷凍保存されていた主人公が目覚める。この主人公は軍の実験で冷凍保存でされていたのだが忘れられ、ずっと眠っていたのだ。とにかく普通の男なのである。能力も容姿も知能も普通なのである。そんな普通の男が26世紀では「天才」になってしまうわけで・・・、という話である。
 26世紀の人間がどのぐらいバカかというと、「体にもいいから植物にもいいはずだ」ということで植物にもゲータレードをあげたりするぐらいである。コメディだから笑っちゃうんだけど、そこまではなくても近いものはあるかも知れない・・・、と逆に笑えなかったりもする。
 この映画でのゴミの描写や、未来人が座っている椅子が「ウォーリー」に出てくるものと同じで、「似ている」というレベルではないから頂いちゃったことは確実である。ストーリーには直接関係のない描写だから、特に気にすることもないけど、「ウォーリー」と「26世紀青年」は不思議な裏表の関係になっていてこの対比が面白い。僕が昨日書いた
「現代社会への批判」
をこの「26〜」も行っていて、それをコメディにしているんだけど、笑えるか笑えないぐらいのギリギリの線で人間をかなりバカにしている。おかげさまでこの「26〜」は泣かず飛ばず。誰だってバカにされる映画を見に行く気にはならないからね。そういう意味ではその批判をかなり砕いて食べさせたのが「ウォーリー」で、こっちは大ヒット。やっぱり上手いんだよね。
 ちなみに26世紀のスター・バックスは風俗店になっているようです。
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