個性的って

 ゆとり教育のスローガンの中に
「生徒の個性を伸ばす」
というのがあったことを思い出す。個性を伸ばすのがどういう事かさっぱりわかりませんが、この「個性」という概念も良くわからないものである。
 誰にでもある事だと思うけど
●個性的でありたい
●他人とちがくありたい
●唯一の存在でありたい
と思うものである。特に思春期の頃なんかはその思いが強くて、難しい本を読んでみたり、あえて人の知らない音楽を聴いたり、格好つけて古い映画をみたりする。全ては
「自分のありたい自分になりたい。そしてそれは他人とはちがう、それが僕の個性である」
という思いからくる、「個性」という名前の焦りだったりする。

 良く考えると、この世を生きる誰もが個性的である。双子だって性格がまるっきり違ったりするので、何もしなくても人は個性的であり、唯一の存在である。肉体的に自分とそっくりな人は先ずいないだろうし、全く同じ環境で育ったとしても同じ性格にはならない。個性は得るものではなく、最初から備わっているものなのだ。なのに僕らは自分の個性がとても気になって、自ら作ろうとする。それはファッション、車、趣味趣向に現れる。まあ、
「他人とちがくありたい」
と思っている瞬間に、実は他の大勢と同じ事を思っているとも言えるけどね。

 おそらく、僕らは
「人とちがう点」
ではなく、
「人と同じ点」
こそを探すべきだなのだろう。なぜなら、「自分」というのは他人との比較の中にしか存在しないからである。個性とか、自分らしさとか、自分探しとか、一見いいものに聞こえちゃうけど、自分の個性は他人との関係性の中でしか浮き上がって来ないものなんだよね。人と接する事で、実は自分自身を理解していくのだと思う。
 フットサルを通じて、そいうことを良く感じたものである。自分では全然気づかないところを注意されたり、逆に評価されたりと。本気でぶつかり合ったからこそ、仲間に自分自身を見つけてもらったと今になって思える。

 ちょっと前に自分探しに苦しむ若者、みたいなドキュメンタリーを夜中にやっていて、見ながら非常にイライラしてしまったんだよね。それだけの話なんだけど・・・。

 


 
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