時間がかかる

 僕の悪い癖の中の一つに
「食べるのが早い」
というのがある。いつからそうなったかは自分でも分からないが、気づいた時にはすでにそうなっていたので子供の頃からでの事であろう。
「今日はゆっくり食べよう」
と意識しない限りはすぐに食べてしまう。体にもいい事ではないハズ。

 子供の頃にはパンケーキを作るのが好きで、特にフライパンを上手く使って空中で一回転させてから裏側を焼く作業が楽しかった。ペースト状のものが少しずつ形になり、色合いが変わっていき、いい香りが生まれるその課程が楽しかった。今振り返ると食べることではなく、作る作業そのものが好きだったのだと思う。ただのパンケーキだから上手いも下手ないけど、子供にしてはそこそこの腕だったんじゃないかと自分で思う。その歳から少しでもいいから料理をちゃんとやっていれば今頃味オンチになる事もなく、食事をゆっくり楽しめる大人になっていたのかも知れない。

 一人暮らしの時にまた(仕方なくだけど)料理に挑戦したことがあったけど、すぐにやめてしまった。片付けと掃除が大変だったって事もあるけど、なによりも
「時間をかけて料理をしても、食べる時は一瞬」
という事がどうしても我慢できなかったのだ。せっかちな性格だし、味に興味もないのだから、必然とも言えるのかな。それ以降料理をしようという気にはなれず、今に至る。

 普段から何かを食べるときに、僕らはその味や見栄えを気にしても、
「それを作るのにかかった時間」
は全く気にしない。変な話だけど、味よりもその食べ物を作るのにかかった時間や手間の方が重要なものなのじゃないか、と最近思っている。食べているものが不味かったとしても、それなりの評価と心構えで食べないといけないって事かな。それこそ牛肉を食べるには牛が成長しないといけないし、小麦粉も野菜だって勝手に成るものでもない。となると味わう前に食べてしまている僕はもはや犯罪者に近いものだろうね。
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