怪我との付き合い

 僕が始めて怪我の怖さを認識したのは元@10が市リーグの試合後、救急車で運ばれた時である。接触プレイの末に膝をやってしまい、うずくまり動かなくなった姿は今でも覚えている。あの時のアイツの表情と紫に乾いた唇はただ事じゃない事をみんなに認識させた。あれがフロリにおける初めての大怪我だったかな。当時の彼は主力であり(当時ね)、中心選手でもあったから(あくまでも当時)その影響は大きかった。心配だったし、動揺もあったし。復帰まではある程度の時間もかかり、今では正座の出来ない体になっているぐらいだから、やっぱり大きな怪我だったんだよね。
 当時の僕は全然青く、そして今でも反省しているんだけど、顔を合わせるたびに
「どう?」
「具合は?」
「痛い?」
「時間かかりそう?」
と事あるごとにきいていたのだ。後に自分も怪我をして分かるんだけど、
「大丈夫?どう?」
ときかれる程に苦しいことはなく、答えにくい質問もない。相手が心配してくれていることはもちろん分かっていて泣きたいぐらいに有難いんだけど、
「大丈夫だったらやってるよ!」
と答えたい気分になってしまう。

 そしてついに僕にも怪我の順番が回っくる。僕はそれまで特に大きい怪我をしたことはなかったので自分は丈夫なのかな・・・なんて愚かにも思っていたけどもちろんそんなことはなく、足首の内側外側のじん帯を同時にやってしまいました。当時の気分といったらそりゃあもう、明日にも世の中が終わってくれてもいいやぐらいのものであった。怪我をしている時は純粋にボールを蹴りたいという願望もあって、焦りもあって、置いていかれる不安もあって、ありとあらゆるマイナス思考を抱えていたと思う。そんな時に支えてくれたのはやっぱりみんなで、
「ちゃんと病院行ったか?」
から始まり、
僕がちょっと汗をかいていたら
「お前、走っていないだろうな?」
と続き、ボールに近づこうとすれば
「ダメ!」
と厳しく取り締まってもらいました。

 仲間になったある時点から僕らは「怪我を共有している」と言える。その痛みや苦しみを一緒に理解しているわけではないけど、仲間が怪我をしていると常に心に何かが引っかかっていたり、気になったりする。大げさかも知れないけど、一人の怪我をチーム全員が共有していると思う。
 
 フロリの選手を何人か含め、最近僕の周りで怪我をしている人が数人います。今の気持ちは良く分かります。僕も何か言ってあげたいですが、でも、言えることといえば
「我慢」
それしかありません。
 
 辞めてわかったことの一つに
「思っているより、みんなそろって一緒にプレイできる時間は短い」
って事。やっている最中はそんなことを思いもしないけど、残念ながら本当のことです。その時間を、怪我を悪化させる事で短くしてはとても勿体無いです。僕に後悔があるとすればそこかな、正直。だからこそ、今怪我をしている人たちには我慢して欲しいと思う。
フットサル、サッカー | comments (12) | trackbacks (0)
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