ファン

 応援することも応援されることも、それはそれはとても素敵なことであります。誰かが見に来てくれる、見に来てくれてている、スタンドにいる誰かが自分を見ていると思うといつも以上に気合が入り、いつも以上の力が出せる気がするものです。
 僕も色んな人から応援を受けてきました。せめてものお礼に、試合後には必ず挨拶に行くことにしていました。それほどに嬉しいことなのですが、逆をいうと返すものがない。だから、一生懸命プレイする。いい結果を見せたくてプレイする。
 僕も現役をやめ、応援に駆けつける立場になり、スタンドで試合を見るようになりました。未だに慣れることなく、毎回毎回心臓に悪い思いをしている。勝てば嬉しいし、負けたら悔しい。でもいつも思うのは
「応援したから勝てるわけでもないし、応援しているから何かを求めるのはおかしい」ということである。
 Jリーグのチームが負けだすと、ファンとチーム、ファンとフロントが揉める話をよくテレビで見る。選手にものを投げたり、バスを取り囲んだり、責任者を呼び出したり。そしていつも思うんだけど、失礼を承知で
「サポーターってそんなにエラいの?」
ってことである。もちろんサポーターあってのチーム、サポーターあってのプロスポーツであることは理解しているけど、選手を罵倒することや、相手チームにケンカをふっかけることがチームをサポートすることになるのだろうか。
 
 応援に命をかけている人もいます。チームが海外に行ってもついていくぐらいの猛者もいるらしい。いわゆるコアなファンのことだよね。でも、これらのサポーターの立場は、たまにしか来ないサポーターより上なのでしょうか。真剣だから、熱いから、声がデカいから、知らない人に応援方法を強要したり、子供を泣かしたり、フラッグの竿で人を叩いてもいいのだろうか。

 自分のチームを応援しながら、僕は気づきました。応援することは「片思い」なんです。チームが勝ったら遠くから(スタンドから)見ながら喜び、負けたら物陰から(スタンドから)どんな雰囲気かなと覗き込む。誰かが怪我したら自分のことかのように心配する。でも片思いだから
「お前ら俺のことも気にしておけよ」
とは思わない。
「俺のために勝てよ」
とは思わない。片思いだから。これは多分プロだろうが、アマチュアだろうが、距離感はちょっと違うかも知れないけど、同じなんじゃないかと思う。
 
フットサル、サッカー | comments (13) | trackbacks (0)
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