特別

 1年の始まりに特別なことを書くかと思ったら大間違いだぞ!なぜなら僕らの人生は同じ事を死ぬまで繰り返す「終わりなき日常」だからな!ハッハハ!1月1日といえども普通の日と同じじゃ!

なーんてね

 今日もいつもと同じように働いている人は上のようなことを思うかも知れません。僕も酒臭いお客様とすれ違うたびに、
「昼間からかよ・・・」
なんて思っていました。

 学生の時に和食の配達のバイトをしていたことは今まで何度も書いてきた。おめでたい和食なのでもちろん、今日のこの日が一年の中で忙しいのである。僕は配達だけだったから早朝からの出勤だったけど、店長や板さんたちは前日から泊まりこみで準備をしていた。とんでもない数の注文が一日に集中するので店内はまるで戦争。儲けられるときに儲からんでどうする!という精神のもと注文を断ることがないので、時折限界を超える状態になることもあった。そういう時は配達が遅れたり、注文とちがうものが入っていたりと、普段は絶対に起きないミスが起きることもあった。
 小さな配達を終え、店に帰ったらなにやら大騒ぎになっている。どうやら、一番高価な和食のセットを5人前届けたら、「事前にキャンセルしたはず」とお客さんが受け取ってくれなかった、と同僚の配達員が言っている。店長は
「なんじゃそりゃー!!」
と普段から赤い顔をもっと赤くしながら怒っている。どうやらキャンセルの注文を受けたスタッフがその注文を消し忘れるという、初歩的なミスだった。しかしその日はそのスタッフは不在。やべえ、どうなるんだこれ?とビビる俺。一番高価なセットだから、10万円以上の注文である・・・。その日の売上に響きまくる金額なのだ。
 そのとき、一人の配達員が手を上げた。50歳ぐらいのおっさんなんだけど、忙しい時だけヘルプで店にくる人であった。普段は何をしているのかは全く不明だったけど、会う度に僕に「ホレ」と言って偽造テレカを束でくれる人だったので、堅気ではなさそうな雰囲気であった。そのオッサンが店長となにやら相談すると、僕らにその料理を車に載せさせ、どこかへと消えていった。30分後に帰ってきたのだが、また同じように「ホレ」といって札束をレジに入れていた。どうやら売ってきたらしいのだ。もちろん誰もが「どうやって売ったの?」と疑問に思ったのだが、店長から「そんなのどうでもいい。はやく次行って来い!」と相手にしてもらえず、
「声を大きくして言えることではない」
という雰囲気だけがびんびんに伝わり、誰もきこうとしなかった。たまあにこの話を思い出すけど、答えのない気持ち悪さが残ってしまう・・・。多分半額ぐらいでその筋の人たちに卸したのだと思うんだけど、真相は不明です。すみません。
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