人体の不思議

 問題になっている「人体の不思議展」。展示されている遺体の出所が不鮮明である所、倫理的な立場からの「遺体で金儲け」というのが主な問題のようだ。僕はその存在すらしらなかったのだが、ニュースでその内容を知り、こういっては何だが逆に観てみたくなった。抗議活動はかなり前から行われていたようだけどここに来てのこの大騒ぎだから、もう観れなくなる可能性が高いかな。
 ミイラに興味があることは何回か書いたことがあると思う。実はミイラを見るときにも「人体の不思議展」で問題になっていることを感じることがあった。ミイラとは言っても何百年前は僕と同じ人間だったわけで、死後に研究されたり、大勢の前に晒されることを予想していたのだろうか、と思うのである。もちろん予想できるハズなんてないんだけどね。
 ミイラと「人体の不思議」で展示されている遺体との違いはもちろんある。ミイラは死後の世界への信仰であり一つの文化であって、自分からミイラになることを望んでの処置なのだが(とされている)、「人体の不思議展」では遺体の出所が不明なため、ちょっとした気持ち悪さが残る。以前の展示では脳や肝臓を触れるコーナーもあったようで、死後に自分の脳や内臓がペチペチと触られることを希望する人はいないだろう。
 知っている人もいると思うけど、タイには「死体博物館」というのがあって、検索した感じでは「人体の不思議展」よりもずっとずっと遠慮のないグロさである。それ系が苦手な人は検索しない方がいいぐらいだと思う。多分、「死」に関する価値観というか、考え方が違うのかもね。その「死」に対する考え方で、その社会の文化的成熟度が計れるのかもしれない。良いか悪いかはまた別問題だろうけど。
 この問題では当たり前な気もするし、そこまで騒がなくても・・、と思わないこともない。自分がそうなったら嫌でしょ?と言われても、それもまた違う問題だという感じもする・・。
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