our last days

　ニュースでやっていて思い出したんだけど、恵比寿のミニシアターが閉館することになった。特別な何かがある映画館ってわけではないんだけど、そこでしか上映しないいい感じのタイトルの選別で、僕も何度も行ったことがある。残念だけど、最近は行っていないので、本当は残念がる資格はあまりないとも言えるかな。

　一時期「ミニシアターブーム」と言って、
「単館でしか上映されない映画を観るのがお洒落」
とされた時期があった。「アメリ」とか「バッファロー69」とかの頃である。当時流行っていた映画はちゃんと押さえていたけど、映画をファッション的にとらえる事にはちょっとした不満があって、なんだかなーと思っていたのを覚えている。今思えば当時が映画興行のピークだったのかな。
　あれからたくさんのスクリーンを備えたたくさんのシネコンが乱立され、映画を観る環境は格段に良くなったのに、映画を観る人はどんどん少なくなった。シネコンの乱立がミニシアターの衰退の原因の一つと言われているが、皮肉なことミニシアターブームを支えた若者はシネコンには行かずに真っ先に離れていった。映画興行の形も変わり、スクリーン数が格段に増えたのに上映されるタイトル数が減るという状況も生まれた。そういえば千葉のCINEMAXも閉館したんだよね・・。

　もしかしたらだけど、映画は社会における役割を終えつつあるのかも知れない。映画以外に時間や金を消費する道はたくさんあるしね。決してなくなることはないけど、衰退はまだ続くかもしれない。

　映画ファンとしては、ハリウッドが黄金期を迎えていた30年代〜40年代に行って見たいなあと思ったりする。当時の女性は俳優に本当に恋をし、男性は女優に本気で惹かれた。当時は娯楽が少なかったという事もあるけど、あの頃と映画の本質的な魅力は何も変わってないはずなんだよね。未来はまだある。