時代

 良く映画や小説である
「オッサンが自分生きた時代を孫に語る」
という設定。僕はこういったシーンや描写が好きである。自分が生きた時代を語るのは実に格好よくて、そしてとても楽しいんじゃないか、と睨んでいる。その時代にあった出来事、流行ったこと、空気を思い出すという行為自体きっと楽しいものなんだろう。
 
 自分が生きた時代を伝えるとなったら、2009年の今をどう伝えるだろうかと考える。世の中が傾いてきて、経済も文化も人の心も暗く、希望は少ない。みんな明日のことを考えることで精一杯という時代だった、みたいな事を言うのかな。
 
 今だって十分に不透明な時代ですが、歴史を見るともっと暗い時代もある。戦争、大恐慌、政治腐敗、頭で考えられる惨事はだいたいある。僕らが想像もしたことのない不平等や残酷さが日常にあった事を考えれば、現在はまだいい方なのかも知れない。キツい時代をを自分の時代として語る世代もあるはずなんだよね。残念ながら僕は家族からそういった事を聞いたことがないけど、祖父母や両親から戦争の話などを聞かせてもらった事のある人はラッキーだと思った方がいいだろう。

 でもまあ、今を生きる僕らには現代が全て、心の中では過去の事なんてどうでもいいこと。人間が歴史に学んでもイマイチ上手く行っていないのは証明済みだし。それでも何とか未来に想いを馳せることが出来るのが人間であって、それを希望と呼ぶのだろう。
 近い誰かに子供が生まれたり結婚したりすると、彼らが生きる未来を考える事が多くなる。当たり前だけど、いつまでも平和で秩序だった社会、時代であって欲しい。心からそう思える人が増えれば増える程社会は良くなっていくんじゃないだろうか。少なくとも僕らが語る時代は笑顔で振り返られる時間であって欲しい。
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