カップル映画

 昨日書いた「ウォッチメン」の弱点
●野郎しか見ないであろうということ
●そしてそのほとんどがオタクの可能性が高い
だが、実は映画界の中でも割りと大きな問題である。つまり、映画を作る時点で客層が広いか狭いかで、ある程度の興行収入が決まってしまうという事実である。予想興行収入から逆算して製作予算が決められるわけだから、間口の狭い映画であればあるほど制作費は少なくなり、いい映画が出来なくなる、という問題である。もちろん、どんなテーマだろうが面白ければいいんだろうけど、映画ビジネスは博打みたいなものなので、保険に保険をかけるような、細心の注意を払って金を勘定する。
 典型的な言葉として「カップル映画」というのがある。文字通り、男女がデートで見に行く映画の事をいうのだが、これが儲けやすい映画なのである。一人で見に行くとされる難しい内容の映画や、オタクしか見に行かないよう映画よりも、確実に2人の人間がペアで見に行く映画のほうが2倍儲かるので効率的なのである。その上には確実に3人が見に行く「ファミリー映画」というのもある。こういうものが量産されると政治的なメッセージや強烈な内容、エロとバイオレンスを含む映画はどんどんと肩身が狭くなり、終いには作られなくなるのだ。いつの間にか似たような映画ばかりで、気づけば映画文化は廃れていって、最近映画つまらないよね〜と悪循環が生まれる。ま、どんなものでも儲けを出さないといけないのは当たり前。映画だって商売だし、当てないことには次の映画は作れない。だけど、これって裏返せば観客を馬鹿にしている事で、どうせお前らこういうのしか見ないんだろ?と思われているみたいで、何だか頭に来るんだよね〜。
 

 
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