もしも明日が

 昨日の夜、どうしても寝付けなかったので、最近見ている海外ドラマを空が明るくなる時ぐらいから観出した。翌日が眠くなるから普段は後悔するんだけど、あまりにも面白くて完全に起きてしまった。
 そのTVドラマで「キューバ危機」の当時が描かれている。それも、市民レベルでの当時である。キューバ危機に関しての映画や小説は多いけど、今思うと市民レベルでのそれは少なく、とても新鮮であった。
 「キューバ危機」はいわゆる冷戦のピークで、世界がもっとも第三次世界大戦に近づいた日である。アメリカVSキューバ+ソ連という構図で、説明するには長いのでやめておきます。(笑)第三次とは言ってもそれは核戦争で、一瞬で世界が終わることを意味している。このキューバ危機がまさにそうで、つまり、世界がもっとも「終わり」に近づいた瞬間なのだ。
 キューバに核兵器が搭載され、いつアメリカに核爆弾が落ちるかもしれないという不安の中を一般人が生活している。生活しているとは言っても、いつ爆弾が飛んでくるかも知れないから皆一様に暗く、TVやラジオにかじりついている。かろうじて社会は動いているものの、疎開をする人がいたり(疎開してもも意味がないらしいけど)、シェルターに篭る人もいる。今、僕らには想像もできないけど、
「今この一瞬にも世界が終わるかも知れない」
という恐怖と誰もが対峙していたのだ。それは当時の大統領であったケネディも、一般人も、子供も同じあった。
 というわけで前フリがすごーく長くなってしまったけど、夜明けに
「もしこの瞬間に世界が終わったらどうしよう」
と僕は真剣に考えたのである。夜明け前のこの時間は頭が妙にクリアで、ちょっとした天才気分になれるんだよね。で、「今この瞬間」では元も子もないので、
「もし明日が人生最後の一日」
だったらどうしょう、と考えたのである。よく「明日世界が終わったらどうしますか?」って質問があるけど、みんなが世界が終わることを知っていたら世の中が普通に動いているわけがないので、そうではなく、あくまでも僕一人が明日死ぬのであれば、という事に絞って考えてみた。

家族に思いを伝える?
世話になった人たちに挨拶する?
ありったけの資産を換金して寄付する?
ありとあらゆる臓器もドナー登録しておく?
死後に見られたくないものを処分しておく?

 あれこれと考えているうちに、良く考えたらどれも生きているうちに出来ることだって事に気がついた。普段から出来る事、金関係以外のことならいつでも出来ることだ・・・・。
 で、たどり着いた答えが
「誰にも何も言わない」
である。ちょっと不誠実な感じがするけど、案外健康的で正しいことなんじゃないか、と。ま、言われたほうだって困るだろうしね。
 それにしても「明日世界が終わるかも」って不安はどれぐらい大きいものなのかな。知りたいような、知りたくないような。


 
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