形のないもの

 僕は本屋が好きで、時間さえあれば万引き犯に思われるぐらいに長居をしてしまう。目的買いじゃない時は良さそうな本を手に取り、価格をチェックして裏のあらすじを読んだり、帯の推薦文を読んだりする。中身を全部読むわけにはいかないから、その本は面白いかどうか、いい本なのかどうかはそれで判断する。もちろん、タイトル、装丁も重要なポイントである。

 今年は電子書籍元年と言われている。キンドルとか、iPadの登場がその理由である。本屋がなくなるとか、出版社がなくなるとか、革命手的なことが起こる可能性があるとも言われている。
 まあ、文字が作っている物語や話は形のないもので触れないものだから、その媒体は何でもいいというのは良く分かる話である。もう一方で、本は「紙に印刷されているという形が本である」という考えがあって、それもそうだなあ、なんて思う。本と言うのは紙質からインク、装丁の色、デザインと、手にとってもらえるように知恵をしぼった商品だから、その魅力は大きい。

 個人的に僕はどちらをも楽しめるタイプで、だからアレがダメでこれが良い!なんてのはないと思う。でも、
「文字になっているその形のないもの」
を自分の中に取り込んで、どれだけ形作れるかが問題なんだよね。好みによって、世代によってその方法はちがうかもしれないけど、中身の価値は永遠に変わらないはずで、そう大きな変化はないんじゃないかと思う。まあ、本屋は儲からなくなるのは困るけど・・・。
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