逃避

 世の中にはどうやら夏休みという、都市伝説的な期間があるみたいである。きっとフリー・メイソンのような、世界を裏で操っている集団が考えた、
「庶民に金を消費させる」
作戦にちがいない。誰が騙されるものか!
 
 とはいえ、この時期にはやっぱり現実逃避したくなるものです。僕が行ってみたいところといえば、このブログのですごく昔に書いた

不思議な石を拾ってた配達夫が石を集めるうちに自分1人で宮殿を作っちゃった
「シュヴァルの宮殿」
世界一美しいミイラ、ロザリアが眠る
「シチリア島のカタコンベ」
インディー・ショーンズで有名な
「ヨルダンのぺトラの遺跡」
説明不要の
「スミソニアン博物館」
である。誰にでも一度は行ってみたい場所や国が一つはあるでしょう。

 学生の頃に、自分の好きな事について書き、それをみんなの前で発表するという授業があった。面白いのは、その発表を聞きながら他の生徒が無記名でコメントを書いて、終わってから先生が読み上げるという、ある意味ではちょっと怖い授業であった。無記名だから辛辣なコメントも多く、緊張が漂う時間だった。講師は日本語の世界で有名なあの臼村治子先生で、僕はこの先生が大好きであった。僕らが教わった頃は多分50台前半だったと思うんだけど、それはそれは上品で美しい言葉を使う人で、すごく厳しい人でもあった。この先生からは文法にも縛られない言葉の美しさを学んだ。もったいないので、この話はまた今度にとっておきます。

 とにかく、この授業である女子生徒が自分が大好きである「トルコ」について発表する事なった。トルコといえば歴史的にもかなり濃い話もあり、ネタはいくらでもありそうだったのだが、彼女が発表したのは「地球の歩き方」に書いてありそうな、生水は飲まない事、スリに気をつける事、夜は出歩かないこと、みたいなくだらない事ばかりであった。時間不足、準備不足であえてやっつけ仕事にしたのならまだ良かったんだけど、大まじめに意味のない詰まらない事を延々と言うものだから、僕は心底頭に来て
「オメーはガイドブックかよ」
と書いてしまいました。運良く僕の感想は読まれなかったけど、同じように思っている人はたくさんいたようであった。

 どこかに行きたいなあ、なんて思いが頭をよぎるとこのトルコの事を思い出す。あの時、彼女がいいプレゼンをしてくれたら僕もトルコに行きたくなったろうに。なんか、今思い出してもイライラしてくる。
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