つながり

 昨日の朝刊の一面が
「100歳以上、行方不明250人以上」
という見出しだった。終戦記念日になんとも残念な見出しである。
 こういった系のニュースがを初めてきいたとき、僕は局地的なレアな事件だと思っていた。日本の社会に似つかわしくない事件だと思ったからである。しかし、一番最初の事件を受け色んな自治体が独自の調査を進めたところ、全国のアチコチで同じ様な事件が発覚。思うんだよね、家族の繋がりってなんだろうって。
 
 僕のこの体と精神には親から引き継いだもので出来ている。僕という塊はそこから生まれていて、良くも悪くもその関係は濃すぎて切っても切れないものである。だから家族というのは望んでも望んでいなくても常にそこにあって、その関係は切れることはないと思っていて、それが当たり前かと僕は信じていたんだけど、今回の事件を受けて「必ずしもそれは当たり前ではない」ってことがわかってしまった。ニュースを見ながらきっと多くの人が
「僕の家族、私の家族はちがう」
と思ったことだろうけど、誰かに起こりえることは誰にでも起こりえることで、自分自身だってその範囲の中にいる。誰だって絶対にちがう、ってことはないのだ。

 携帯電話が普及したときに誰もが思ったのが
「電話って案外かかってこないものなんだね」
ってことであった。いつでも誰とでもどこにいても繋がっていられるハズなのに、である。これは
「人と人の関係なんてそんなものだよ」
という事ではなくて、
「当たり前だと思っていることって必ずしも当たり前ではない」
ってことで、ここに人と人、家族の繋がりも入っているのかも知れない。
 社会が変わったとか、人々の価値観が変わったとか、人間性が損なわれたとか、人間はもともとそんなものなのかもとか、原因は無数にあるんだろけど、これらの事件って景気が悪いとか、政治が腐敗しているとか、それよりももっともっと怖いことだと思うんだよね。だから、自分の体や精神が両親から受け継いだ何かで出来ていたとしてもそれは当たり前ではなく、かなり特別で大事にすべきものなんだよね、きっと。僕は尊敬する人々や愛する仲間との関係を大事にしているつもりだけど、きっと家族に対しても同じ姿勢で向き合わないといけないのだ。

終戦記念日のこんな話題は常々残念である。
日々 | comments (14) | trackbacks (0)
calendar
<< August 2010 >>
SunMonTueWedThuFriSat
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
selected entries
categories
archives
recent comments
profile
others