人を殴るという事

 姪っ子がどこかで同い年ぐらいの女の子に顔をはたかれたようだ。小さな子供なんだからオモチャのとりあいぐらいの事だろうけど、我が家では大きな話題になっていた。驚いたのは僕の両親の反応で、小さな女の子に
「殴られたら殴り返さないと駄目だよ」
と教えていたのである。パンチの出し方を身振り手振りで教えながら、である。2歳の女の子に対して何を教えているんだと唖然としたけど、思えば僕も同じ教育を受けているはずである。男だから、もっと強い教育だったにちがいない。
 実はこのことがあったその後に「ベストキッド」を観たんだよね。「ベストキッド」では小学生か中学生の子供たちがクンフーで戦うんだけど、それがフルコンタクトでバッコバッコに殴り合っているのである。拳が顔にヒットする描写もたくさんあり、顔にアザが出来たり、腫れたりと殴る事の痛みを感じられる演出になっている。競技という建前はあるけど、子供が殴り合う映像というのは考え方によっとは過激なもので、時代が時代だからそう見れる映像でもない。
 姪っ子のことや、映画のこともあって、ここの所ずっと暴力について考えている。暴力を悪とし、完全に否定するのは一見正しいことに思えるけど、安易過ぎる考えなんじゃないかと思う。人を殴るのはもちろん絶対にいけないことなんだけど、自分や周りを守る時、いじめに対抗する時に一番効果的な手段であるのは認めないといけない。すごく前にも書いたと思うけど、僕は子供の頃に従兄弟とケンカをして腕を骨折させたことがあるんだよね。その時に自分の力の怖さみたいなものを理解して、それ以来人を殴ることはないんだけど、もし誰かが仲間や好きな人を傷つけたら、自分の力の怖さを理解した上でも殴ってしまうんじゃないかと思う。だから、僕の両親が2歳の子供に自己防衛の概念みたいなものを教えているのを見て、良く考えてから何となく納得できた。とは言え違和感みたいなものがあるんだよね。これってなんだろ。
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